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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第700話:ニルエがモデル

 アトムが今日はどうしやす、って顔を向けてくる。

 新人輸送隊員はただガードしてもらってりゃいいけど、最低エルマには方針を伝えておかないと。


 考えてみりゃ今日のレベリングは、ノーマル人の中であたしが最年長だったわ。

 こーゆーのは初めてだな。

 あたしがしっかりしなくちゃいけないわ。

 もっともあたしがしっかりしていない瞬間なんてありはしないけれども。


「はーい、皆大好きあたしも大好きわくわく魔物ランドだよ。感想を聞こうか。フリッツ」

「何だろう、雰囲気が独特というか。押し潰されるようとは言い過ぎだが、妙な圧迫感がある気がする」

「うん、空気が重い感じがするよね。魔境は魔力濃度が高いからだと思う。魔境には魔力濃度が高くないと生存できない魔物も多いけど、そーゆーやつは決まって強力だから要注意だよ」


 頷くフリッツ。

 いい感想だったよ。


「次にペーターどーぞ」

「あっちに動物がいますけど、あれが魔物ですか?」

「そうそう」


 ケルベロスみたいだな。

 最初の餌食としては手頃だが、真っ直ぐドラゴン帯のデカダンスを目指すルートからはちょっと大回りになる。


「首が三つもあってすごいです!」

「やつは魔境の魔物の中では一番弱いくらいだよ。でも一ターンに三回攻撃してくる、なかなか侮れないやつなんだ」

「そうなんですね?」

「大体の目安だけど、レベルが四〇超えれば一対一でケルベロスに勝てると思う」


 しかしこの距離で首が三つあることがわかるのか。

 ペーターは目がいいな。


「最後にイーチィ」

「はい、身体が軽いです!」

「そりゃ浮かれてるからだ」


 アハハ。

 お約束の三段オチです。

 イーチィがいい仕事した。


「今日はあんた達三人をレベル三〇くらいまで上げる予定だよ」

「レベル三〇……」

「冒険者だと上級冒険者って言われるくらいのレベルだね。輸送隊員は皆それくらいを目安にしているんだ」

「注意することはあるか?」

「ふざけたことしないで大人しくしてろってくらいだな。基本的に魔物に攻撃ターン回す前に片付ける予定だけど、一応防御体勢は取っておくこと」

「「「はい!」」」

「戦闘はうちのパーティーで行うよ。エルマは一応新人さんのカバーお願いね」

「わかりました!」

「よーし、行こうか」


 真っ直ぐ中央部へ向かう。

 さっきのケルベロスはどっか行っちゃったから。


「ワイバーンか」


 ワイバーン帯まで来ちゃったか。

 大体先にオーガかケルベロスに遭うもんなんだが。

 まあいい、オーガやケルベロスの倍くらいは経験値あるし。

 普通に倒す。


「あ、卵落とした。ラッキーなことに、今日は運搬係がいるんだった」


 オイゲンさんが持たせてくれたナップザックが早速役に立った。

 身体の大きいフリッツに持ってもらうか。


「リフレッシュ! どう? 何か変化あった?」

「魔法覚えました! 『ヒール』と『キュア』です!」

「うんうん、いいねえ」


 回復魔法や治癒魔法を使える人は、輸送隊関係なしに有用だからな。

 イーチィが嬉しそう。


「僕は……変わりないようです」

「ペーターはスキルを覚えない固有能力かもしれないねえ。でもいいんだよ。地味に役立つことが多いから」


 ペーターは残念そうだ。


「フリッツはどう?」

「……少し、能力をコントロールできるようになった気がする」

「ペーター、握手してみ?」


 二人が握手する。

 レベルが上がったことでどの程度『ララバイ』を制御できるようになってるかな?


「何ともありません!」

「……やった!」


 おーおー、フリッツ嬉しそう。


「よーし。気を抜くと能力垂れ流しじゃおねしょみたいで恥ずかしいから、意識した時だけ発揮できるようになるまで頑張れ」

「ああ、わかったぜ!」


 さらに中へ。


          ◇


「これでレベル三〇行ったかな?」


 デカダンスを含む何体かの魔物を倒した後、ギルドカードを触らせ確認する。

 ちょうど三〇か。

 よし、目標達成だな。

 おめでとう、あたし!


「最後にドラゴンでも……ん?」


 レベル上げの最後にドラゴンを倒すのは、ユーラシア式魔境ツアーの定番のアトラクションではある。

 しかしネコみたいな頭のあの巨体は……。


「マンティコアだ! ちょっとレアな魔物なんだ。あれおいしいから、倒してお土産にしよう!」

「「「「えっ?」」」」

「一発攻撃食らうかもしれないから、しっかりガードしてて!」

「「「「はい!」」」」


 結局アトムが攻撃を受けて雑魚は往ね!

 問題なく倒した。


「凄草ドロップはなしか。しょうがない。クララ、解体お願い」

「はい」

「エルマ、クララと新人さんを守るから、手伝ってね」

「はい!」


 クララの神技であっという間にマンティコアはお肉と化し、ぶら下げて持って帰る分以外は魔物へのおすそ分けとした。

 ナップザックを背負ってきてるフリッツとペーターがいる時にマンティコアに遭えたのはラッキーだったなあ。


「よし、今日は荷物が多いからここで解散としようか。ペーターと一応フリッツも赤の民ビルカに見てもらって、自分の固有能力を把握しといてね」

「はい!」「ああ」

「イーチィはレベリング終了の旨、フェイさんに報告しといてくれるかな?」

「わかりました!」

「じゃ、エルマ。三人をよろしく。オイゲンさんに迷惑かけちゃったから、ワイバーンの卵はお土産にしといて」

「はい!」

「装備は近い内に届けるからね。あとは個々人の努力だよ。本日はこれまで!」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


「こんにちはー」

「邪魔するぜ」


 イシュトバーンさんを伴って、カトマスの魔女の館ことマルーさんの家に来た。

 ニルエの絵を描かせてもらうためだ。


「はいよ、いらっしゃい。ニルエは今、買い物に出ているよ。すぐ戻ってくる」

「これお土産。マンティコアの肉だよ」

「マンティコア? よく持ってこられたね?」

「ツイてたんだ。今日人数がいたから。このお肉おいしいんだけど、どうやって食べたら最高か、結論がまだ出てないんだよねえ」

「クソババアは煮るしか能がないぜ」

「クソジジイに言われる筋合いはないねい」

「仲いいねえ」

「「どこが!」」

「そーゆーところ」


 声ピッタリじゃねーか。

 あ、ニルエ帰ってきたな。


「ただいま」

「お帰りー」

「あっ、ユーラシアさん、イシュトバーンさん。待たせちゃいましたか?」

「今来たところだぜ」

「早速モデルお願いできる?」

「はい」

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