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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第683話:固まるオニオンさん

 フイィィーンシュパパパッ。

 コブタマンを狩って海の王国に来た。

 しばらく雨降ってなかったから、御無沙汰だったなー。

 女王もお肉食べたいだろうし。


「ガンガン鳴らしたい人!」

「「「はい!」」」


 やはり皆ガンガンしたいようだ。

 あ、今日はダンテがジャンケンに勝ったか。


「よーしダンテ、いってみようかあ!」

「オーケー、レッツゴーね!」

「グオングオングオングオングオングオーン!」


 おお、ザクザク宝箱の部屋とは響きが違うなあ。

 海底城は広いので、遠くから唸りがウオンウオンして荘厳に思える。

 女王が転げ出てきた。


「真なる肉だな?」

「真なる肉だよ!」

「やったのじゃ!」


 衛兵達が台車でコブタマンを調理場へ運んでいく。


「しかし……今日地上は晴れていたじゃろ?」

「うん。あれ? よく知ってるね」

「チェックさせておるからの」


 そーだったのか。

 どんだけお肉を待ちわびてるんだ。


「たまには女王とお肉食べたいから来たんだよ」

「さようか。うむうむ」


 嬉しそうな表情はわかるぞ。

 お肉はおいしいし正義だから。


「……つかぬことを聞くけど、女王は絵を描かれることに抵抗はあるかな?」

「絵とな? 抵抗などないが、出し抜け過ぎるの。どういうことじゃの?」

「こういうことなんだよ」


 クララの絵を取り出す。


「ほう、見事じゃの! クララの絵じゃな?」


 女王はクララの名前を覚えてくれてるんだな。


「ドーラで画集を作って売る計画があるんだ。ところがその絵師がさ、いい女しか描こうとしないの。モデルを紹介しろって」

「これほどの絵師に描いてもらえるのか! 大変な名誉じゃの!」

「じゃ、今度連れてくるね」

「楽しみじゃの」


 大変な名誉らしいぞ?

 イシュトバーンさんの評価高いな。

 焼いた肉が運ばれてくる。


「おお、待ちかねたぞ!」

「「「「「大地と大洋の恵みに感謝し、いただきます!」」」」」


          ◇


「美味かったなー。今んとこコブタ肉には炙り焼きフルコンブ塩が至高だな」

「さようか? 以前の焼き肉のタレも美味かったぞ」


 転がりまくって床をテカテカにした女王が言う。


「タレはまだまだかなり改良の余地があるんだ。甘みをマイルドにして酸味が加わると良さそうなんだけど……」


 すると砂糖を少なくして果汁を加えるか?

 果物は知らないこと多いから研究しなくちゃいけないな。

 とゆーかドーラには果物が少ないとクララが言ってた。

 どこかで手に入らんものか。

 

「ふむ、おんしはさすがだの」

「さっきの絵師とは別に、商売関係でここへ連れてきたい人がいるんだよ」

「ん? どんなキャラだの?」

「おお、キャラで探ってくるとは、女王やるね」


 そーいや女王のノーマル人を見る目は、ヒバリさんが基準なんだったか?

 ヒバリさんはあたしに似た人みたいだし。

 あれ、女王に紹介するってハードル高くね?


「一人はキャラとしては普通かな。度量は広め、帝国の第四皇子だよ」

「帝国とは争っていたのであろ? 皇子もすぐに受け入れられるのか?」

「バアルと組んでドーラに攻めようとした第二皇子とは対立関係にある皇子なんだ」


 女王の目が細くなる。


「……ほう?」

「第二皇子は現在帝国の主席執政官で、皇帝が病床にあるから実質トップだと思って。第四皇子は新任の在ドーラ大使なんだけど、ぶっちゃけ第二皇子に追いやられる形でドーラに来たの。ドーラとしては、攻めてこようとした第二皇子よりも第四皇子と組みたいじゃん? でもドーラと帝国では国力が違い過ぎるから、ドーラ政府が表立って第四皇子を支援して、第二皇子を刺激するようなことはできない」

「ようわかった。だからおんしが力を貸すのじゃな?」

「そゆこと」

「わらわは何をすればいい?」

「第四皇子に功績を立てさせて周りから注目させたいんだ。具体的にはドーラからの輸出品を発掘したって形にして、まず商人達の支持を取りつけたいね」


 女王が頷く。


「海の王国からも輸出品を出せということじゃな?」

「うん。海藻酒はイケそう。魚醤は帝国にもあるらしいからちょっとわかんないな。他のものは皇子に直接見てもらおうかと思って」

「うむ、歓迎しようではないか。海の王国としても儲かることであるしの」

「ウィンウィンは最高だよねえ」


 よかった。

 女王の協力を得られる。


「で、もう一人は精霊なんだ」

「精霊?」

「疾風の精霊ハヤテって子。うちの子ではないんだけど、自分で商売したいんだって。自力で転移できるから、一度ここへ連れてくれば、海底の商店街で仕入れて地上で売る、逆に地上のものをこっちで売るってことを始めると思う」

「何じゃ。自由にやってくれればよいぞ。なかなか海底まで買いつけに来てくれる者はおらんでの」

「ありがとう。おいおい連れてくるからね」

「うむ」


 海の王国とは本当にいい関係を築けている。

 ありがたいことだ。


「ごちそうさま。じゃ、帰るね」

「うむ、また来るのじゃぞ」

「もちろんだよ」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「オニオンさん、こんにちはー」

「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」


 魔境に来た。

 今日はあちこち忙しいな。

 ザクザク宝箱も行かなきゃいけないし。


「あんまり魔境に来られなくなっちゃったから寂しいな」

「ハハハ、一昨日皇子殿下と来たばかりじゃありませんか」

「あれは魔境ツアー添乗員のお仕事だから、好き勝手できなかったんだよ」


 好き勝手してましたよ、という目でクララが見てくるわ。


「今日は魔宝玉稼ぎですか?」

「魔宝玉もだけど、掃討戦跡地に一本目の水路が開通したんだ。クレソン植えようと思って取りに来た」

「なるほど」


 オニオンさんが大きく頷く。

 まあ移民の食料対策の一環だ。


「話は全然変わるけど、イシュトバーンさんの描いた女性画の画集出そうと思ってるんだよね」

「ああ、あの新聞に載って売り切れたという」

「そうそう。帝国への輸出品としても考えてるんだ」

「ユーラシアさんは本当に色々動いてますねえ」

「おっぱいさんのオーケーもらったから、計画スタートするんだけど」

「はい」

「モデルオーケーの代わりに、オニオンさんとの会食をセッティングしてくれって言われたの」

「はい?」


 思考停止したか、表情が固まるオニオンさん。


「そーゆーことだからよろしく」

「ちょちょっと待ってください!」


 え? 忙しいんだけど。

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