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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第680話:今日は楽しい魔法の葉青汁イベント

 ――――――――――一三八日目。


 フイィィーンシュパパパッ。

 今日は楽しい楽しい魔法の葉青汁イベントの日だ。

 朝からレイノスのイシュトバーンさん家にやって来た。

 ちなみにうちの子達はお留守番だ。


「おう、来たか精霊使い」

「こんにちはーって、何でイシュトバーンさんこんなとこで待ってんの。寒いじゃん。カゼひくよ?」

「ハハッ、待ちきれなくてな」


 まったくしょうがないなー。

 ただ待ちきれないほど楽しみってのはわかる。

 今日は絶対に面白いイベントになるから。


「その箱が魔法の葉入りか?」

「うん。中見る?」

「おお? ゴッソリ入ってるじゃねえか」

「たくさんの人を喜ばせてあげられそうでしょ?」

「ハハッ、違えねえな」


 アハハと笑ってたら、警備員さんが微妙な顔してた。

 魔法の葉の地獄の味を知ってるんだろう。

 一方でお付きの女性はニコニコしてる。

 平和でいいね。


「じゃあ行こうか」


 門を出て、大階段下の広場へゴー。


「今日は護衛について来いって言わねえんだな?」

「この前ニルエとレイノス港見に行ったんだけど、思ったよりサメはいないみたいなんだよ。だから」

「何がだからなのかわからねえ。レイノス港へ落としてもサメのエサにならねえからって言いたいのか?」

「まあそう。あたしに不埒なマネをした時の罰則としては中途半端とゆーか」

「今の時期レイノス港に落とされたら凍え死ぬからな?」

「凍え死には絵面がエンターテインメントじゃないんだよなー」

「あんたの言うことは洒落になってねえんだよ!」


 アハハ、まーいーじゃん。


「もう少し枯れた老人には優しくしてくれ」

「もう少しスケベ心が枯れてきたら、あたしも優しくなれると思うよ」


 お付きの女性二人も笑う。


「あっ、おっぱいさんの許可取れたんだよ。画集の計画スタートしていいかな?」

「おお、そうか! 楽しみだぜ!」

「こーゆーのは絵師のやる気が売り上げに直結する気がする」

「オレのやる気はモデルのいい女度に比例するんだぜ」

「大丈夫。イシュトバーンさんがいい女扱いするのはどんな人か、大体把握した気がするから」


 若い、とゆーか若く見える女性というのは譲れない条件として、単純な美人が好きというわけでもないみたい。

 プラスアルファとして面白み? 特異性? みたいなのが加味されてなきゃ、イシュトバーンさんの興味を引けないんじゃないかな。

 

「あんたいつもおっぱいさんおっぱいさん言うから、名前忘れちまったぞ?」

「サクラさんだよ」

「そうだそうだ、サクラさん。確かギルドの受付嬢なんだろ?」

「うん。エントランスの総合受付じゃなくて、中入ったところ依頼受付所の受け持ち。逆らっちゃいけない無敵の美人」

「精霊使いが言うと期待値上がるな!」


 すげえ嬉しそうだな。


「おっぱいさんの機嫌を損ねると、この計画おじゃんだよ。触りたくなるだろうけど、あたしも触りたくなるくらいだけど自重して」

「うおおおお! そんなにか! そんなになんだな!」

「そんなになんだよ」


 ハッハッハッ、目一杯煽ったった。

 でもお付きの女性二人はジト目だぞ?


「どうせイシュトバーンさんはいつも暇でしょ?」

「おう、暇だぜ」

「モデルさんの都合がつき次第呼びに行くからね」

「おっぱいさんはいつだ?」

「んーいつになるだろ?」


 おっぱいさんもギルドの正職員だから忙しいし、そもそもあたしがあんまりギルド行かなくなっちゃったしな?

 おっぱいさんとオニオンさんの会食も、セッティングしなきゃいけないんだった。

 条件が案外難しい。


「おいおい、意地悪すんなよ」

「いや、意地悪じゃないよ。でもうまいこと時間が合う日がちょっと見つけにくいな? 急にヴィルで連絡取ることになるかも」

「待ってるぜ!」


 さて、着いたぞ。

 テーブルの上にコップが並んでいて、水とすりこぎすり鉢もある。

 地味なイベント会場だなあ。


「こんにちはー。これ魔法の葉ね」

「待ってましたよ、ユーラシアさん。こんなにあるんですか? 早速青汁用意します!」


 新聞記者ズと、他の職員達も張り切る。

 あ、もうプリンスルキウスも来てるじゃないか。


「プリンス、おっはよー」

「やあ、おはよう」


 にこやかに挨拶を返してくれる。

 ちゃんとソバカス男もついて来てるな。


「えーと、あ……」

「ロドルフだ」

「危うく名前間違えるところだったよ」

「『あ』って言いかけてただろうが!」

「細かいなあ。器の小さい男はプリンスの補佐官に相応しくないぞ?」

「む、そうか?」


 実にちょろいな。

 操縦しやすくてよろしい。


「プリンス、アドルフはどう?」

「今ハッキリとアドルフって言ったろ!」

「もーあだ名みたいなもんだと思ってなよ」


 プリンスが苦笑する。


「うむ、主にレイノスの事情についてレクチャーを受けた。なかなか興味深いな」

「ありがたき幸せ!」


 上級市民は皆同じなのかもしれないけど、アドルフがカル帝国の皇族に対して敬愛の情を持っていることは知っていた。

 忠誠度が高いのはいいことなんだが……。


「あんたさ。もしプリンスと一緒にいる時、暴漢に襲われたらどうする?」

「言うまでもなく殿下の盾となって……」

「いらん。逃げて騒ぎ立てて人呼んでくるのがあんたの役目だぞ? こう見えてプリンスは高レベルフル装備だから、上級冒険者一〇人に囲まれたって持ち堪えられるんだよ。むしろあんたが足引っ張る方が心配」

「な……!」


 かつプリンスは『威厳』持ちだから、格下は問題にならない。

 そしてレベル五〇以上で敵になりそうな人はドーラにいない。

 外国人さえ注意してりゃプリンスは全然問題ないのだ。


「いや、ロドルフよ。精霊使いの言うことは正しい。貴公に武勇は期待しておらん」

「し、しかし……」

「プリンスのレベルを信用しなよ。あんたは自分にできることで貢献して」

「わ、わかった」


 うむ、ちょっとずつ意識を変えていかねば。


「リリーは来てないねえ」


 夢の中なんだろうな。

 習慣変えてリズムを崩しちゃいけないとゆー、好意的解釈。


「ユーラシア」

「ダン、いらっしゃい。プリンス、ダンはこんなんでもドーラ有数の前衛冒険者だよ。で、ギルドではオチ担当」

「昨日会った冒険者だね? よろしく」


 ダンがニヤッとする。


「気さくな皇子で助かるぜ。こちらこそよろしく」


 握手する二人。

 ダンもプリンスに好感を持ったようだ。

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