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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第663話:プリンスを魔境に連れてきた

 フイィィーンシュパパパッ。

 ドーラで一番愉快な場所、魔境にやって来た。


「オニオンさん、こんにちはー」

「いらっしゃいませ、ユーラシアさん。と?」


 もう一人いるのに気付いたようだ。


「紹介するよ。カル帝国第四皇子ルキウス殿下!」

「ええっ!」


 のけぞり返るオニオンさん。

 反応が実に面白いなあ。

 オニオンさんのリアクションはレベル高いわ。


「失礼いたしました。ワタクシペコロスと申します。しかし、帝国の皇子殿下が何故魔境に?」

「新しい在ドーラ大使なんだよ。だから」

「新聞で読みました。でも『だから』というのがわかりませんが」

「ドーラって観光に値する場所が魔境くらいしかないじゃん? おもてなししなきゃなんないから、あたしが魔境ツアーを引き受けたの」

「いつもの冗談ですよね?」


 あたしがひっきりなしに冗談言ってるみたいじゃないか。

 そんなことないわ、時々だわ。

 面白そうな目で見てくるプリンス。


「予もどうしてここに連れてこられたかわからんのだ。説明してくれるかな?」

「プリンス以上にオニオンさんがわかってないから、プリンスの事情を話しながら説明するね? プリンスは随員なしの一人でドーラに放り出されたんだよ」

「えっ? 帝国の皇子殿下が大使として赴任するのに随員なしですか?」

「あり得ないでしょ? 知事のオルムスさんが困ってたから、あたしが引き受けたの」

「説明になってないんだが」「説明になってないですよね?」


 おおう、説明になってなかったか。


「身分ある人なんだから、護衛もなしじゃ困るじゃん? でもドーラに護衛雇うようなおゼゼはないから、手っ取り早くプリンスに強くなってもらうことにしたの」

「ははあ、いつものやつですね?」

「そうそう、いつものやつ」


 オニオンさんは納得したが?


「いつものやつ、とは?」

「非常に経験値の高い魔物を倒すことによって同行者のレベルをムリヤリ上げるという、ユーラシアさんの必殺技です」

「四時間あればレベル五〇近くまでイケると思うんだよね」

「レベル五〇って、極めて才能豊かな者が三〇年以上……」

「うーん、その才能ある人には悪いけど、ドーラの現実も知ってもらいたいな」

「いや、超速レベリングなんてユーラシアさんだけですけれども」


 オニオンさんとのやり取りで冗談じゃないことはわかっていただけたらしい。


「予に肩入れするのは何故だ?」


 さっきと同じ質問だね。

 今後のドーラの方針に関わることだ。

 『アトラスの冒険者』にも関係してくるかもしれないから、オニオンさんに知っててもらうことも悪くない。


「リリーがいないからぶっちゃけるけど、今の皇帝陛下が長くないって情報は入ってる。できればプリンスに次の皇帝になってもらいたいんだよね。だからプリンスが大使としてドーラに来ることが決まった時、大いに持ち上げようってことになってたの」

「ほう?」

「でもドーラ政府が実質第一人者の第二皇子を無視してプリンス持ち上げるわけにはいかないじゃん? だからあたしが個人的にプリンスの後押しすることにしたの。ドーラ政府も同じ気持ちだから、割と融通は効くはずだよ。絶対に軽んじたりはしないから頼って」

「ふうん? 君は一般人なのか?」

「ドーラ政府に御飯食べさせてもらうことはあるけど、給料はもらっちゃいないよ。ただの一般人」

「であるのに知事殿の信頼が厚いんだな?」


 さっきオルムスさんがあたしを待ち構えてたことか。

 その辺はあたしもよくわからんのだが、パラキアスさんがあたしに相談しろって言ったんじゃないの?

 パラキアスさんはあたしのパワーレベリング知ってるし。


「ユーラシアさんのパーティーは、実質ドーラ最強なんですよ」

「力技でどうにかしろってことだと、あたしが適任だからじゃないかな?」

「なるほど」


 大きく頷くプリンス。


「じゃ、行こうか」

「うむ、全て任せよう。よろしく頼む」

「うん、任せて。一応防御体勢取っててくれればいいから」

「行ってらっしゃいませ!」


 ユーラシア隊及び未来の皇帝(仮)出撃。


          ◇


 今日はあんまり時間がないので、クララの『フライ』でびゅーんとパラダイスゾーンまで来た。


「実に見事な飛行魔法だな」

「でしょ? レベル九九の飛行魔法だからね」

「レベル九九?」

「あたし達皆レベルカンストしてるの」


 呆れてるけど。


「今日はデカダンスっていう、人形系レア魔物を中心に倒すね」

「うむ」


 早速デカダンスが出た。

 実りある経験からの通常攻撃。

 『ポンコツトーイ』があれば少しは楽ができるんだが、一枚も手持ちがないしな。


「……これがレベルアップか。なかなか快感だな」

「リフレッシュ! でしょ? これ装備しててくれる?」


 『三光輪』のパワーカードを渡す。


「これはカード?」

「ドーラにしかないものじゃないかな。装備者の魔力で起動する、パワーカードっていう装備品だよ」

「なるほど?」

「もうプリンスはレベル一〇を遥かに超えてるはずだよ。魔法攻撃食らうような魔物も相手にするから、しっかりガードしててね」

「心得た!」


          ◇


 ――――――――――一時間後。


「プリンスはさあ、何かの固有能力持ちだよね? 良さげな能力っぽいけど、何なの?」

「『威厳』というやつだな」

「おおう、『威厳』だったか。人の上に立つ立場で、一番都合のいいやつじゃん!」


 マジで皇帝に相応しいんだが。

 プリンスが苦笑する。


「同じようなことを言われることもあったが、ある程度レベルがないと意味がないんだろう? 今まで役に立ったことはない」

「かもねえ。でもこれからは『威厳』効きまくるよ。軍人さんでもレベル五〇超えてるような人は、ほとんどいないんじゃないかな」

「どうだろう? 軍人のレベルはよくわからんが」

「クリーク・ミュラー少将って人いるでしょ? あの人が四〇~四五くらいだったよ」

「ん? 会ったことがあるのか?」

「テンケン山岳地帯で飛空艇落としたのあたしなんだ」

「えっ?」


 ドーラ人が飛空艇を知ってること自体にも驚くんだろうけど。


「少将は飛空艇の艦長だったから、ちょっと話したの。帝国とドーラが仲悪くなっちゃうと嫌なんで、これ内緒ね」

「内緒って……呆れたもんだ」

「少将は有能な人だったから、軍で干されちゃうならおいでって誘っといたんだ。ドーラに来るかもしれないよ」

「ハハッ」

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