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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第642話:トラブル収集癖と製造癖

「こんにちはー」

「お帰りなさいませ」


 港から軽く店や聖火教の教会の方を回って、昼前にイシュトバーンさん家に戻ってきた。

 今日新聞記者ズに会わなかったな?

 期待してたわけじゃないけど、会えなきゃ会えないで不満が残るとゆーか、ニルエにも新聞記者の面白さを体験させてやりたかったゆーか。

 イシュトバーンさんが一緒じゃないと新聞記者ズは寄ってこないのか、ニルエの『いい子』オーラが近寄らせないのか?


「旦那様がお待ちですので、屋敷の方へどうぞ」

「ありがとう」


 警備員さんに連れられて中へ。


「ひょっとしてイシュトバーンさんって、あたしがここへ来た時は用がなくても知らせろとか言ってる?」

「仰ってます」

「ええ?」


 どんだけ退屈してんのよ?


「他に遊び相手作ればいいのに」

「ハハハ、なかなかそうもいかないようで」

「イシュトバーンさんもう結構歩けるようになってるんでしょ?」

「はい。いつも精霊使い殿には感謝しておりますよ」

「あたしがいるところで盛大に感謝してくれればいいのに」


 アハハ。

 屋敷へ上がる。


「おう、待ってたぜ」

「こんにちはー。待ち構えられてたか」

「こんにちは、初めまして」


 例のえっちな目でじろじろニルエを眺め回すイシュトバーンさん。

 どういう感想を持つかな?

 割と興味ある。


「ふうん、あんたの友達にしては素朴だな?」

「いいでしょ?」

「いいな。候補か?」

「候補だよ」

「あの?」


 不審がらせたか。

 不審人物が目の前にいるもんな。

 ひっじょーに申し訳なかった。


「ごめんねニルエ。視線がセクハラで。昼食代だと思って勘弁してあげて」

「おい精霊使い、オレだけのせいにするな。連れてきた責任だってあるんだぜ?」

「いい子だから眼福でしょ?」

「眼福だな」


 アハハと笑ってたらニルエが置いてけぼりだった。

 マジでごめん。


「候補とは何でしょう?」

「画集のモデルの候補だぜ」

「画集のモデル?」


 まあ説明が必要だわな。


「さっき服屋のセレシアさんに話した仕掛けに関連するんだけどさ。イシュトバーンさんの絵の画集を売ろうかと思ってるんだ。で、モデルをやってくれないかってことなんだけど」

「私がですか? いいんですか? 私なんかで」

「ニルエは可愛いぞ? イシュトバーンさんも気に入ったみたいだし」

「おう、ぜひ描かせてくれ」


 ハハッ、赤くなった。

 ニルエ可愛いよニルエ。


「も、もちろん構いません。よろしくお願いします」

「やたっ!」


 誰にも断られないなあ。

 おっぱいさんにオーケーもらえればすぐにでもイケるわ。

 早めに緑の民の交易解禁と版画の質を確認しないと。


 イシュトバーンさんが聞いてくる。


「ところで精霊使いよ。青の民の別嬪さんに話した仕掛けってのは何なんだよ?」

「セレシアさんの独特なファッションを帝国に売ろうと思うと、売り子を帝国まで連れて行かないといけないじゃん? でもあのファッションを着たモデルをイシュトバーンさんに描いてもらってさ。画集で予備知識を与えとくのはありかなーって」

「ああ、皇女にも声かけて帝国にも売るって言ってたっけか。マジなんだな?」

「マジなんだよ」


 再びえっちな目をするイシュトバーンさん。

 興味を持ってもらえたようだ。 

 イシュトバーンさんの画集なら絶対売れるわ。


「で、こちらの娘さんは?」

「画集がヒットすれば、ニルエもモテモテになると思うんだよね」

「ん? 今はモテモテじゃねえのか?」

「いえ、私なんてそんな……」

「何でニルエがモテないんだと思う? ちなみに健康状態に問題はないし、借金とか変なクセや趣味もない」


 イシュトバーンさんが考え込む。


「変だな? 着てるものからして孤児じゃねえし、性格は温厚だし、オレの目に狂いがなければ実は男なんてこともねえし……」


 おーおー悩んでるぞ。


「どう見たっていい子じゃねえか。待てよ、『いい子』?」


 あ、気付いた。


「あれか、マルーの孫娘っていう」

「ピンポーン! 大正解!」


 『強欲魔女』の孫だから警戒されるのだ。


「全然似てねえじゃねえか!」

「でもないよ。鼻とかのパーツは似てる」

「わからねえ!」


 まあ確かにマルーさんとニルエは持ってる雰囲気が全然違う。

 あ、御飯来た。


「いただきまーす!」


          ◇


「この前マルーさんとニルエ連れて行政府行ったんだよ」

「新聞で見たな。新政府支持の表明だったか?」

「うん。あの時新聞記者に囲まれちゃったから、レイノスを案内してあげられなかったの」

「新聞記者に囲まれた? どうせ狙ってやったんだろ?」

「あれ、わかっちゃう?」


 イシュトバーンさんがニルエに聞く。


「マルーは息災かい?」

「ええ。とても元気です。特にユーラシアさんがいらっしゃるようになって、楽しいみたいで」

「評価されてるのはエンターテインメントかな? 敬老精神かな? それともお土産のお肉かな」


 アハハと笑い合う。


「精霊使いの方は面白い話ねえのか」

「いくつかあるけど、あたしを嫁にくれって話が一番面白いかな?」

「「えっ?」」


 ハハッ、驚かせたったぞ。


「相手は誰だ?」


 ニルエにもわかるように状況説明。

 カラーズ黄の民が何ちゃら。


「ではそのフェイさんというのはいい方なんですね?」

「悪いやつなんだけど、実際問題としてあたしを嫁にってのはないんだよね」

「やるじゃねえか、あのモヒカン。要するにあんたを放り込んで、膠着して逃げ出しづらい話をメチャクチャにしろってことなんだな?」

「わかっちゃう?」


 さすがにイシュトバーンさんはすぐに意図に気付いたな。

 えっちなやつだから。

 黄の民の村の奥の方行ったことないんで、楽しみだなあ。


「これ、いつ頃動き出す話なんですか?」

「明後日かその次くらいだなー。カンだけど」

「あんたのカン当たるんだろ? 決着ついたら話せよ」

「私にもお願いします!」


 エンターテインメントとして成功だよ。


「他の面白い話ってのは?」

「うーん、ニルエに面白い話ってわけじゃないから、また今度話すよ。皆これから起こることだし」

「ユーラシアさんの周りには、愉快なことがたくさん起きるんですね?」

「起きるねえ。毎日楽しくて」

「トラブル収集癖があるからか製造癖があるからか、どっちだ?」

「まっこと失礼だな……どっちかと言えば収集癖かな?」


 最後に一笑いあって今日はお開き、ごちそーさま。

 転移の玉を起動し一旦帰宅する。

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