表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

618/2453

第618話:焼き肉パーティーは楽しみ

「当たり宝箱には罰則があったのか。でも後出しはズルくない?」


 書いてないだけでウソついてるわけじゃないから別にいいけど。

 いささか卑怯な気はするが、何か仕掛けてるくらいのことは当然あると思ってたしな。


「姐御の当たりハズレ判定はどうでもいいでやすが」

「ボス、どうするね?」

「当たりは開けないから関係ないな。今後もガンガン鳴らしちゃっていいよ」


 あたしの行動を制限しようとするのが気に入らないわ。

 クララが聞いてくる。


「もし銅鑼を鳴らした場合、宝箱の中身を貧弱にすると言われたらどうしますか?」

「もちろんお宝を回収してから鳴らす」

「今後ずっと宝箱の中身を貧弱にすると言われたら?」

「そんなんなったら、もうここに用はないわ。遠くからダンテの最強魔法で更地にして、クエスト終わらせちゃおう」


 ……やはり何かビクッとした気配があった。

 うちの子達では気付けないほどのごく微弱な気配だ。

 おそらくは主催者だろう。

 知らんぷりしたろ。


「宝箱開けちゃいなよ。今日も元気にかっぱぐぞー!」

「「「了解!」」」


 うちの子達が宝箱を順に開けていく。


「ええと、大きい絵ですね。特に魔力は感じません」

「こっちも絵だぜ。おっさんだ」

「アポーとパイナポーとペンのピクチャーね」

「また絵です」

「絵だぜ」

「ピクチャーね」

「今日は絵の日か」


 宝物っぽいと言えば宝物っぽい。

 有名な画家の描いた絵は結構なお値段になるものらしいし。

 これらがどのくらいの価値があるか知らんけれども。


「前列の二枚と後列の四枚ではタッチが違いますねえ」

「本当だ。別人が描いた絵なのかな?」

「なかなかワンダフルなピクチャーね」


 うむ、肖像画はもとより、静物画の方も表現しがたい説得力がある。


「きっといいものなんだろうねえ。でも困ったな?」


 名画なら皆が見られるところに飾った方がいい。

 しかし我が家にはほとんど誰も訪れない。

 大体うちは埃っぽいしな?

 絵を飾っとく環境じゃない。


「次イシュトバーンさんに会う時、持っていって相談しよう。絵のために一番良さそう」

「そうですねえ」


 皆が頷く。


「じゃ、絵と空箱持って帰ろうか」

「あっ、姐御! あっしも銅鑼鳴らしていいでやすか?」

「私も鳴らしたいです!」

「ミーもね!」

「ガンガン心ゆくまでやっちゃってください!」


 主催者は許さないみたいだけど、あたしが勝手に許可を出しちゃう。

 だってあたしが聞きたいから。

 散々銅鑼の音が響く。

 うむ、いい音だ。


 これ部屋の外には聞こえないのかな?

 聞こえないわけないか。

 とすると、立札の要求は外に住んでる人からの騒音の苦情とゆーこともあり得るな。

 でも他人の迷惑になるならばそう書いてくれればいいのに、脅してくるんじゃ聞けないわなあ。


 少々の疑問を残しつつ、転移の玉を起動し帰宅する。

 チュートリアルルームに新人さん行ってるか確認したら御飯だな。


          ◇


「サイナスさん、こんばんはー」


 夕食後、寝る前恒例のヴィル通信だ。

 ちなみに今日もまだ新人冒険者は来てなかった。


『ああ、こんばんは』

「今日輸送隊帰ってきたんだっけ?」

『そうだね。夕方にはアレクも戻ってきたよ』

「この三日間、札取りゲームの進捗なかったなー。ちょっと残念」

『ユーラシアも忙しかったんだろう? 仕方ないじゃないか』

「忙しいこともあるけど、緑の民との絡みがなかったなと思って」


 ……昼間の疑問は質しておくか。


『オイゲンさんって子供いないんだよねえ? 緑の民の次の族長ってどうなるの?』

「長老達に子や孫がいるんじゃなかったかな。その内の誰かになるんじゃないか?」

『ああ、なるほど』


 しかしあたし達が緑の民の族長宅行った時、随分歓待されてたと思う。

 でも会ってないのは変だな?


『別の場所で家庭を持っていれば、族長宅に来る用事もさほどないだろ』

「とゆーサイナスさんの説か」


 若干引っかかるけれども。


「今日ギルドでヨハンさんの息子に会ったんだよ」

『ふむ?』

「長老ズにヨハンさんの息子を会わせるって策はどう思う?」

『爆弾だなあ』

「あたしもそう思うけど、結局族長家とヨハンさんとの和解が必要じゃん? いきなりヨハンさんを緑の民の村連れていくのがなしなら、ワンクッション置いてラルフ君かな、と」


 穏便に行こうとすると、ちょっと手詰まりなんだよな。

 正確には展開が遅くてイライラする。


『ラルフ君というのがヨハン氏の息子か』

「そうそう。あたしを師匠と慕う感心な冒険者」

『君が師匠では、息子さんの苦労が偲ばれるなあ』

「苦労が偲ばれるのはあたしの方だろ」


 まっこと失礼だな。


『話を通しておいて、会わせる手はあるな』

「話はしておくべきか。いきなりの方がドラマチックでインパクトあるんだけど」

『いきなりだと、あとで面倒かもしれないよ』

「あたしも面倒なのは嫌いだからなー」

『今度緑の民の村へ行く時、少し話を振ってみればいいだろう』

「いいね。明後日どうだろう?」


 明後日ならアレクもケスもいる。


『札取りゲームの印刷をダシにするんだな?』

「そゆこと。自然に話を展開できそう」

『よし、明後日の午前中に訪問しよう』


 これで札取りゲームの方も話が進むな。


『今日は君、何してたんだ?』

「大したことしてないな。例のお茶取れるザバンっていう自由開拓民集落へ行ってさ。輸出するから頑張れよって気合入れてきたくらい」

『結構遠くまで行ってるんじゃないか』


 遠いっちゃ遠いけれども、転送魔法陣と『遊歩』があればすぐなんだよ。


「ザバンには一度誰か新政府の有力者を連れていきたいんだよね」

『芸が細かいね。パラキアス氏なら動けるだろう?』

「やっぱパラキアスさんだな」


 あたしが尻叩いてるだけでは、重みと信用が足んないのだ。

 ドーラ新政府の重役であるパラキアスさんか、さもなくばまだ見ぬ『西域の王』バルバロスさんなら影響力は強そう。


『明日はクー川沿いの魔物退治だ。よろしく頼むぞ』

「うん。焼き肉パーティー楽しみなんだ」

『ナチュラルにメインイベントが入れ替わってるけれども』

「えっ? どっちが重要かなんて言うまでもなくない?」


 アハハと笑い合う。

 皆で食べるお肉は格別だからなー。


「じゃ、サイナスさんおやすみなさい」

『ああ、おやすみ』

「ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『わかったぬ!』


 明日は魔物退治!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ