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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第585話:ツインズギルドへ

 ソル君も大分サッパリした顔になったね。

 人間納得して動くのが一番だ。

 初めてソル君に会ったのは四ヶ月くらい前だったか。

 当時は整った可愛い顔した男の子だなあと思ったけど、今は精悍な男の顔になりつつある。

 時の経つのは早いもんだ。


「じゃあ、オレ達はレイノス行きます」

「行ってらー。あの総督府だったでっかい建物、今は何て呼ばれてるの?」

「ドーラ行政府ですね」

「ドーラ行政府かー。格好いいな。ソル君今から行政府行くんでしょ? あたし明後日にそっち行くからって、パラキアスさんとオルムスさんに言っといてよ」

「わかりました」

「バイバイぬ!」


 ソル君パーティーが足取りも軽やかに去っていく。


「ユーラシアはどうして今日、行政府行かねえんだ?」

「すげえ面倒なことに巻き込まれそーな気がするんだよね。まあ今から昼御飯の時間ってこともあるけど」

「ふうん? 面倒なことは早めに片付けるんじゃねえのか?」


 うん、確かにダンの考え方も一理ある。


「でもこの場合、明らかにあたしの可憐さが期待されてるわけじゃないじゃん?」

「馬力が期待されてるんだろうな」

「いえーす、あたしの聡明さが求められてるわけよ」

「俺の話聞いてたか?」

「よく聞いてたぬよ?」


 アハハ、ヴィル面白い。


「お土産が必要だと思うんだ」

「ドーラのお偉いさん連中を納得させるネタってことか? あんたそんなもん握ってるのかよ」

「大したことじゃないんだけどさ。さっきの移民の話だよ」

「ああ、明日カラーズで会議するっていう?」

「お偉いさんにとっては移民どーするかってのだって重要なテーマじゃん? 現地ではこうこうこんな感じで動くぞーって知らせてやったら、少しは安心するでしょ」

「なるほどな」


 気休めだろうけどね。

 きっともっと根本的な方針で揉めてて、あたしの魅力とゆーパワーで何とかしろってことなんだと思うから。


「さあ、昼御飯の時間だ。奢られるぞー!」

「奢られるぬ!」

「おう、たっぷり食え」


 鶏の香草炙り焼き定食と柿の葉茶を、うちの子達の分もオーダーする。

 これこれ、洞窟コウモリのお肉も久しぶりだよ。


「帝国では定食は米がついてくるのが普通らしいな」

「美味いんだよ。ドーラも米食を普及させたいね。今年は掃討戦獲得地で試験的に米作も始めるんだ」

「あんたはどんだけ手広げてるんだ」


 ダンが呆れとるわ。


「ギルドはどうだったの? あたしいない間」

「まことしやかに死亡説が流れてたぜ」

「だから『精霊使いユーラシアのサーガ』の執筆依頼が行ったのかー」


 仕事が早過ぎやしませんかね?


「ユーラシアはいつドーラに帰ってきたんだ?」

「えーと、先月の二二日だね」

「一〇日以上前じゃねえか。何でギルド来なかったんだ?」

「あたしだって忙しかったんだもん。かれえ食べたりお肉食べたりお茶飲んだりで」

「そりゃあ忙しそうだな」


 バカにしたような表情のダン。


「今年中にお茶は輸出品にするんだ。いずれはかれえも何とかしたい。とにかく輸出増やさないとおゼゼがどーもならん。ドーラの経済が回んない」

「お? おう。何だよ。冗談じゃなかったのか?」

「失敬だな。食べ物のことでふざけたりはしないよ」


 まあ七割くらいは冗談だったけど。

 あ、御飯来た。


「あっ、アンセリにモデルになってくれるか聞き損っちゃったな」

「モデル? 何の話だ?」

「イシュトバーンさん、女の子をえっちに描くの得意じゃん?」

「ああ、新聞のやつは見たぜ」

「あの手の画集作って五〇ゴールドで売ったらどうかって話なんだけど」

「五〇ゴールド?」


 胡散臭そうな顔になるダン。


「五〇ゴールドで収まるのか? もし出せたとしても、相当売れなきゃ儲け出ないだろ」

「相当売れると思ってるんだけどな」

「こりゃまた変なこと考えてるな」

「さっきの識字率の話じゃないけどさ。画集なら識字率関係なしに売れるんじゃないかと」


 ムリヤリ需要を作ってみる作戦だ。

 前もって紙の生産と印刷にテコ入れしといても悪くない。

 うまくいけば輸出品まで持っていける。


「まあ……確かに」

「イシュトバーンさんのところにこの話持ってくと、いい女紹介しろって言うに決まってるじゃん?」


 苦笑するダン。


「スケベジジイは間違いねえな」

「あらかじめある程度モデル確保しとかないと頓挫しちゃうんだよね」

「ハハッ、あんたが表紙なら買うぜ」

「いやーん」


 薄茶髪の男女がもの珍しそうに食堂に入ってくる。


「あっ、ツインズ!」

「「ユーラシアさん!」」


 笑顔で駆け寄ってくるツインズ。


「誰だ?」

「ほら、去年デミアンが教育係振られて困ってたことあったじゃん?」

「ああ、あの時の新人か。俺は早耳のダンだ。よろしくな」

「「よろしくお願いします、ダンダさん」」

「ダン、な」


 ハハッ、あたしも最初ダンダって言った気がする。


「男の子の方が『アトラスの冒険者』でゼファー、女の子が妹のエオリアね。ダンはこんなんでも結構なレベルの前衛冒険者だよ。ギルドに入り浸っていろんな情報持ってたりするから、清く正しい方の半分はあたしに、そうでない方の半分はダンに聞きなさい」

「「はい」」

「何だその清く正しい方の半分てのは?」

「あたしの半分は優しさでできてるから」

「もう半分は食い意地じゃねえか」

「ひどいなもー。否定はしないけど」


 皆で笑い合う。


「こちらがユーラシアさんのパーティーですか?」

「そうそう、こっち近い方からクララ、アトム、ダンテね。精霊は普通の人とは喋らないけど」

「ええと、五人パーティーですか?」

「コイツは違うんだぜ。悪魔だ」

「悪魔のヴィルだぬ! よろしくお願いしますぬ」

「「悪魔?」」


 戸惑うツインズ。


「うちの偵察や連絡係を務めてくれてるんだよ」

「可愛いだろ? 好感情が好きな珍しい悪魔なんだぜ」

「いい子だから、会ったら可愛がってあげてね」

「いい子ぬよ?」

「「わかりました!」」


 ヴィルに邪気がないのは知ってもらえたらしい。

 ツインズに代わる代わる頭撫でられて気持ち良さそうなヴィル。


「ツインズは今日がギルド初めてなのかな?」

「はい。昨年の暮れにギルド行きの魔法陣は出てはいたんですけれども」

「訪れるのは年明けてからにしようって」


 ふむふむ、なるほどね。

 情報屋ダンとしてはヌヌスツインズに興味があるんじゃないかな。

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