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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第480話:それでスキルハッカーが必要

 デミアンが聞いてくる。


「もう一つ、魔法攻撃を無効にする空飛ぶ軍艦というのは?」

「帝国の秘密兵器だよ。魔道の結界張ってて、こっちの砲撃も届かない超高度からドカドカ爆弾落としてくるってやつ」

「ほう、さすが帝国だな。悪くない」

「悪いわ。冗談じゃないわ。とゆーか空飛ぶ軍艦の実戦投入の目処が立ったから、帝国は攻めてくるんだよ」

「……艦隊からの砲撃と工作兵だけじゃドーラは降参しないから、決戦兵器を作り出したのか」


 あれ? デミアンの言う通りだ。

 じゃあ飛空艇を作ったからドーラに攻めてくるんじゃなくて、ドーラを攻めるために飛空艇を発明したっぽいな。

 帝国とドーラの戦いはかなり昔から企図されていたってことか。


「空飛ぶ軍艦はうちのパーティーが任された。ソル君が援護してくれる」

「ソル君というのはスキルハッカーだな?」


 デミアンて真剣な話する時は『悪くない』って言わないのかな?


「うん。空飛ぶ軍艦を空中で相手しようと思ったら、レベルカンストの『フライ』を使えるうちのパーティーしかないし、それでも狙い撃ちされたら近付けないから援護が欲しいの」

「援護といっても……」

「援護になりそーな攻撃には一つしか心当たりがないんだ」


 デミアンの目を直視する。


「……噂のペペさんの魔法か。長射程で極めて凶悪な威力だという」

「そうそう」

「……スキルハッカーを必要とする」

「うん」

「しかし魔法攻撃は無効なんだろう?」

「ってゆー話だね。何がどうだから無効って宣伝文句になってるんだと思う?」


 話の通じてないバエちゃんが、あたしとデミアンを交互に見る。


「……だから援護、なのか。攻撃でなく」

「まあね。あたしも魔法無効と謳ってるものに、魔法でダメージ食らわせられるとは思ってないの」

「ハハッ、わかったわかった。悪くない。美少女精霊使いの思考回路は大胆だな!」


 バエちゃんが心配そうだ。


「ユーちゃん、大丈夫なの?」

「あんま大丈夫じゃないんだなー。これが決まれば戦争はすぐ終わると思うけど、ダメならもっと泥臭い方法を取らなきゃなんない。そーすると人死にが増えちゃうんだよね」


 バエちゃんが困ったような顔してるけど、あたしにも何とも言えないんだよ。

 向こうさんの手札が全て見えてるわけじゃないんだから。

 察しておくれ。


「今日は精霊使いユーラシアの人物を知ることができて大収穫だ。悪くない」

「そう? エンターテインメントとしてどうだった?」

「満点だ! 悪くない」

「あたしも嬉しいよ」


 やったぜ、満点イベントだ!

 物事は楽しませてなんぼだね。


「ここチュートリアルルームで戦争についての情報を聞けたのは、吾輩大いに助かった。悪くない」

「ん? 意味がわからんな。どゆこと?」

「夕飯を奢って話を聞きだす手間が省けた」

「あっ、失敗した!」


 三人で笑い合う。

 あたしもデミアンというできるやつと知り合えたのは嬉しいのだ。


「じゃ、あたし帰るね」

「ユーちゃん、またね」

「また会おう」


 転移の玉を起動し帰宅する。


『クエストを完了しました。ボーナス経験値が付与されます』


 これクエスト扱いだったのか。

 とゆーことは、今度こそ新しい『地図の石板』が来るかな?


          ◇


「サイナスさん、こんばんはー」


 皆で夕御飯をいただいたあと、寝る前のヴィル通信だ。


『ああ、こんばんは』

「フェイさんとこに行って、パワーカード七五枚渡してきたよ」

『うん、聞いた。明日輸送隊員全員集合だ』

「これでフェイさんと輸送隊全員五枚ずつのカード持ちだよ。戦力として十分のはず。あ、アレクは既に一枚持ってるから六枚か」


 もう来るべき戦争で、あたしがカラーズに対してできることはない。

 あとは任せたよ。


『君、支出がかなり多くなるけど大丈夫なのか?』

「大丈夫大丈夫。でもボーナスくれるなら、受け取るにやぶさかでないけど」

『くれないよ』


 アハハと笑い合う。


「作物輸送用の台車が明日には数が揃う、明後日の輸送隊出立には間に合うってフェイさんが言ってた」

『そうか、明日確認するかな』

「お願いしまーす。ところで戦時中の輸送隊は何人で編成するのかな? サイナスさん聞いてる?」

『聞いてないな。治安が悪くなることが予想されるから、道中で襲われる可能性は高まると考えなければならないだろうが……』


 人数を多くすると、逆にカラーズの守りが薄くなる。

 その辺フェイさんはどう考えているのだろうか?


「しまったな。今日聞いとけばよかった」

『いや、オレが聞いておくよ』

「ごめんね。お願いします」

『ユーラシアがしおらしいと気味が悪い』


 何てことをゆーんだ。

 カラーズのことは任せたと思いながら、後顧の憂いがあると気にしちゃう純情な乙女心。


「戦争中は緑の民のエルマがさ。『アトラスの冒険者』のギルドとカラーズを行き来して、情報を持ってくる予定なんだ。緑の民オイゲン族長のところで情報が止まっちゃわないように注意しててくれる?」

『了解だ。フェイ族長代理にも伝えておこう』


 これでよし。


「カラーズと掃討戦跡地を結ぶ転移石碑について、ドワーフのアルアさんに協力頼んできたよ」

『ん? 何か関係があるのかい?』

「転移石碑に使う黒妖石ってメッチャ硬いんだよ。ドワーフの石工技術がないと術式彫り込むの難しいの」

『ということは、あとはデスさんの協力さえあれば転移石碑は実現するわけだな?』

「うん。じっちゃんが来たら頼んどいてよ。アレクの身柄は預かった。転移石碑の設置に協力せよって」

「物騒な頼み方だなあ」


 カラーズ緩衝地帯からクー川の近くまで転移できるようになれば、飛躍的に掃討戦跡地開発の効率が高まる。

 『スライムスキン』の数を確保しとかなきゃならんわ。

 久しぶりにスライム爺さんのところへ挨拶に行こうかな。


「灰の民の村は何かある?」

『特別ないな。ケスとハヤテが来るくらいだ』

「読み書きの勉強だよね?」

『もう読むほうは簡単なものならイケるらしいぞ』

「随分覚えてるんだ。熱心だなあ」


 読み優先で教えてるんだな。

 当たり前か。


「眠くなってきたよ。サイナスさん、おやすみなさい」

『ああ、おやすみ』

「ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『了解だぬ!』


 明日は特別予定を入れていない。

 ギルド行こうかな。

 何か情報が飛び込んでくるかもしれないし。

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