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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第472話:迫る戦争の日

「今日はまったりとした一日だったねえ」


 魔境から帰ってからの夕食時、お気楽な時間帯だ。

 パラキアスさんとの通信でドロドロした何かを知った気もするが、まあ魔境で気分転換できると、大抵のことはどうでもよくなる。


「結構黒妖石の小石も拾えたでやすぜ」

「うん。アトムありがとうね」


 何だかんだで袋一杯分、人の頭くらいの量を確保できた。

 たくさん溜めておきたいのは山々だけれども、何に使うっていう目的なしにただ集めるのはモチベーションが続かないな。

 何を作れるんだろう?

 ここはあたしの発想力頼りだな。

 まーでも戦争前だから、悠長に他所事考えてる場合じゃない。


「……マルーさんは粘土で固めて焼け、って言ってたな」

「魔力を蓄える用途に用いる場合には、という話でしたよ。違う目的ならば違った工夫が必要かもしれません」

「あ、そーか」


 じゃこれはいつかマルーさんに確認、と。

 いや、でも固めて使うにしても、魔力を蓄える用途だったら結構な量が必要なはずだな?

 それこそ転移石碑くらいの量が。

 じゃあ今日拾って来た分だけじゃ全然足りないのか。

 研究のためにある程度の量は確保しておきたいもんだ。

 でもやっぱり戦後になるか?


「おニューの石板がアピアーしないね」

「それなー」


 新しい『地図の石板』が来ないのだ。

 魔宝玉クエストが終わったら次がすぐ来ると思ってたのだが?


「エンターテインメントをお預けされてイライラするあたし」

「戦争があるから、クエストを絞ってるんじゃないでやすか?」

「まだギルド周りでクエストが残ってるのかもしれないですけれども」

「うーん、両方ありそうだなあ」


 とにかく次の石板が欲しいもんだ。

 新しいとこ行きたいし。

 この際『地図の石板』じゃなくてもいいから、面白いもんを寄越せ。


「トゥモローはどうするね?」

「アルアさんのところ行こうか」


 海の王国で『逆鱗』及び『巨人樫の幹』と交換した素材が、結構たくさんになったから。


「換金だけね。飛ぶカードができた時に、かなり交換ポイント必要だと思うんだ。その後ギルドだな。輸送隊に配る用のパワーカードが届いてるはず。受け取ってフェイさんとこ届ける」


 そうだ、アレク以外の属性魔法使い二人は、ノーコストの攻撃魔法を使えるべきだな。

 バエちゃんとこで『プチウインド』買ってくか。

 いい気になって『ファイアーボール』や『サンダーボルト』撃ちまくって、火事になったりマジックポイント枯渇したりしたら困る。


「ごちそーさまっ! おいしかった!」


          ◇


「サイナスさん、こんばんはー」


 寝る前恒例のヴィル通信だ。


『ああ、こんばんは』

「帝国の艦隊が向こうを出たって。四日後にはレイノスに到着する」

『……わかった。四日後か。震えがくるなあ』

「あたしも繊細なハートに震えがきちゃって、眠たくてしょうがない」

『ユーラシアは大物だな』


 今大物を感じさせるセリフがあったかな?

 あれか、通信を通してオーラが伝わっちゃってるのか。


『四日後に帝国艦隊が到着することは、フェイ族長代理には伝えておこうか?』

「一応お願いしていいかな? あたしも輸送隊員に装備させるパワーカードを届けに行く予定ではあるけど」


 戦争近いと突発的な事件があるかもしれないしな。

 情報は伝えられる時に伝えとくべきだろ。


「で、その帝国艦隊が出航したことを、パラキアスさんにヴィルで伝えた」

『ハハハ、ヴィルはすごく重宝するな。ん? 君、パラキアス氏から情報得てるんじゃないのか?』

「あたしには謎情報源があるんだよ。『アトラスの冒険者』のクエストであった本の世界のマスターっていうのがいるの。デス爺やパラキアスさんは『全てを知る者』って呼んでるけど」

『……聞いたことあるな。君、『全てを知る者』と知り合いなのか?』

「金髪の可愛い人形だよ。前、セレシアさんにもらったリボンあったじゃん? あれその子にあげたんだ」

『ほう』


 感心してるようだけれども。

 もっともあたしはアリスからガッツリ情報を得ているわけではない。

 むしろあたしはお肉の世界のマスターであるアリスをリスペクトしてるからな。

 嫌がられるようなことはしたくないのだ。


「ただその子からの情報も限界があって、決まってる事項については教えてくれるけど、未確定のことは言わないんだよねえ。極めて厳重な秘密だと、その子であっても知る余地がないみたい」

『なるほど。でも重要な情報源だな』

「まーね。今その子とアクセス取れるの、あたしだけみたいだからさ。仲良くしてるんだ」


 アリスもいい子だよなー。

 寂しがり屋ではあると思うから、いつかアリスを巻き込んだイベントやりたいもんだ。


「カラーズでは何かあった?」

『黄の民一同が、開拓地の現場から戻ってきたぞ』

「もう一段落ついたんだ?」


 フェイさんは仕事早いな。


『しかし、あの場所は遠い。作業はなかなか大変だろう』

「まあねえ。一々何時間もかけて行くのは時間のムダだわ。あそこで暮らせるようにしたいね。カラーズ全村共同で拠点を作ろう」

『え? 集落を作るってことか?』

「急にはムリか。じゃあ転移石碑を設置しよう! 緩衝地帯とあそこを結べばすごい便利だ!」

『ユーラシアの発想はワクワクしてくるな』

「でしょ?」


 転移石碑に使う大きさだと、細かい黒妖石固めたやつじゃ難しいな。

 大体そんなデカいの作れるかどうか、転移石碑の用途に使えるかもわかんない。

 自由開拓民集落麗しのユーラシアで手に入れた黒妖石の台を使おう。


「年明けだなー。向こうで本格的な作業始まるまでに、デス爺に協力してもらってどうにかしようよ」


 黒妖石は硬いから、細工にアルアさんにも協力してもらわなきゃいけないか。


『全ては戦後だな?』

「とっとと戦争を片付けなくちゃなー」

『とっととって。ユーラシアはお気楽だな』


 お気楽じゃないわ。

 綿密に勝利の方程式を組み立てようとしてるわ。


『ケスとハヤテは今日も来てたぞ』

「熱心だね」

『ケスは読み書きできることの重要性を、白のルカ族長に諭されたみたいだな。ハヤテは純粋に興味あったみたいだが』


 へー、大したもんだな。


「じゃあサイナスさん、おやすみなさい」

『ああ、おやすみ』

「ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『わかったぬ!』


 明日はアルアさんとことギルド、と。

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