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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第445話:自由開拓民集落ユーラシア

 ――――――――――九一日目。


「いい天気だねえ。お天道様が門出を祝福してくれているに違いない」

「何の門出でやすか?」

「今日という素晴らしい一日に踏み出すあたしの門出だよ。とゆーか面白いことがあるように、念のためフラグ立てとくの」


 アハハと笑い合う。

 朝から快晴。

 掃討戦跡地でフェイさん率いる黄の民が、米作用の基地作りをするのにピッタリの日だ。

 今日はお手伝いに出かける。


「じゃ、あたしとクララで行ってくるから、アトムとダンテは留守番ね」

「うーす」「イエス、ボス」

「行こうか」

「はい、フライ!」


 ふわっと浮き、びゅーんと緩衝地帯へ。


「おっはよー!」

「おう、待っていたぞ。精霊使いユーラシアよ」


 フェイさん以下一〇名の黄の民と食料・調理具・日用品・工具、そして木材。

 当然だが結構あるな。

 他にも手伝いの黄の民がかなりいる。

 朝から大混雑。


「これ、何回往復すればいいかな?」


 クララによると三回でイケるそう。

 クララ有能、飛行魔法便利。


「まず、人と細々したもの運ぶよ。木は二回に分けて持ってくから、運びやすいようにしておいてくれる?」

「「「「「「「「へい!」」」」」」」」


 一〇名の黄の民と小物とともにびゅーんと現地へ。


「いい水が出るし、絶好の場所だねえ」

「まったくだ。土地も肥えているのだろう?」

「みたいだね。掃討戦跡地には無限の未来があるねえ」


 人の手の入っていない土地とゆーものは、それだけで胸躍るものがある。

 ドーラの輝かしき発展はここから始まるのだ! なんてね。

 フェイさんもにこやかだ。


「フェイさんはしばらくこっちにいるのかな?」

「うむ、三日はこちらで陣頭指揮を執る」


 三日か、戦争もあるしな。

 長いこと掃討戦跡地にばかり関わっていられないからだろう。

 とゆーか三日でかなりの部分やっちゃうつもりなんだな?


「オーケー、わかった。急用があったらこっちに知らせに来るよ」

「うむ」

「じゃ、残りを持ってくるね」

「頼むぞ」


 クララと緩衝地帯へ飛んで帰る。


          ◇


「疲れてない? マジックウォーター飲んどく?」

「いえ、全然問題ないですよ」


 木材を運び終えたあと、しばらくクララと一緒に組み立てられる小屋を見ていた。


「ワクワクするなあ!」

「本当ですねえ」


 組み上げられていくスピードの速いこと速いこと。

 黄の民の建築はすごいなー。

 フェイさんの直接指揮と九人の手があるとこんなに速いのか。


 クララなんかいつも落ち着いてるように見えるのに、今日は手をぎゅっと握ってソワソワしてるもんな。

 以前黒の民の醸造ラボを建てた時、見る見る内に丸太が組みあがっていくのが面白いってピンクマンが言ってたけど、メッチャわかるわー。

 クララのツボに嵌るほどのエンターテインメントだ。


「秘密基地みたいだねえ」

「楽しそうです」


 これ今日中に建っちゃうんじゃないの?


「ユーラシア、昼飯食べていくか?」

「いや、食料減らすのも悪いから帰るよ」

「そうか。今日は助かったぞ。礼は必ずしよう」

「いいんだよ。じゃあまたね」

「うむ、さらばだ」


 いやあ、いいものを見た。

 朝から納得の日だ。

 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


「あっ、姐御! お帰りなさいやし」


 家に帰ると、アトムとダンテが慌てて駆け寄ってくる。

 どうしたんだ?


「焦らない焦らない。人間焦っていいことなんか一つもないのだ」

「ヒューマンじゃなくてスピリットね!」

「あっ、そーだった」


 アハハ、軽いジョークだとゆーのに。


「レベルカンストの精霊をビビらせるほどの事件が、留守中にあったんだね?」

「いえ、事件じゃねえんでやすが、ちいとおかしなことが。こちらへ」


 家の東側、転送魔法陣の区画?


「二つ目のギルド行き魔法陣の行き先が変わってるんでやす」

「え?」


 行き先が変わることは今までもあった。

 どこに行けるようになったんだろうな?

 かつて『ドリフターズギルド・セット』の名称だった転送魔法陣に立つ。

 魔法陣から立ち上る光が強くなり、フイィィーンという小さくやや高い音を発し始めるとともに、頭の中に事務的な声が響く。


『カトマスに転送いたします。よろしいですか?』


 カトマス?

 しめた! 西域とレイノスを結ぶ重要な村だ。

 行ってみたかった場所だから嬉しいな。


「えーと『ドリフターズギルド・セット』のクエストが一段落したから、転送先が振り変わったっていう理解でいいのかな?」

『はい』

「ありがとう。今は転送はやめとく」


 立ち上る光が弱くなる。

 なるほど、カトマスか。

 ヴィルの住処から聖火教礼拝堂に転送先が変わった時も、クエストの続きという体裁だった。

 今回も今までのクエストとカトマスが関係あるのかな?


「これでギルド・セットのクエストもお終いか」

「ユー様、おかしいですよ。クエスト完了のアナウンスがなかったように思えます」

「おお、クララの言う通りだ」


 じゃあ転送先が変わっただけで、もうちっとだけ続くんじゃのパターンか。

 楽しみが続くのはいいことだ。

 エンターテインメント精神に則ることだから。


「あんた達は偉いな。よく細かいことに気付くねえ」

「えへへー」

「暇だったんで全部の転送先チェックしてたんでやすよ」

「アナザーワン、おかしなマジックサークルがあるね」

「え?」


 まだあるのかよ。

 いや、変化があるのは結構なことだけれども。


「こっちでやす」


 これ皇女遭難クエストの時の転送魔法陣だな。

 『自由開拓民集落バボ』行きのやつ。

 魔法陣の真ん中に立つと響く声。


『自由開拓民集落ユーラシアに転送いたします。よろしいですか?』

「……よくないです」


 何じゃこれ?

 集落の名前が実に素敵かつ蠱惑的になってるぞ?

 どーゆーこと?


「覚えてる。村の名前変えろって言ったなあ」

「ボスは、あたしの名前使っていいとセイしたね」

「……確かに。村をあたしの名前にしろって意味じゃなかったけど」


 近隣の村と交流するためにあたしの名前を使えとゆー意図だったが、まーいいか。

 うまくやれてるといいな。


「ギルド行きのやつ、行き先変わったってことは、新しい『地図の石板』来てるのかな?」

「来てなかったね」


 完了のアナウンスがなかったもんな。

 カトマスでクエストの続きがあるのか?


「ギルドでポロックさんかおっぱいさんに様子聞こうか。ついでにお昼食べてこよう」

「「「了解!」」」

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