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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第404話:明日の朝、ギルドで会おう

 セレシアさんの服屋の成功には男性客をキープすることが欠かせない。

 となれば接客は、セレシアさん自身が率先してやりゃいいのだ。

 その内売り子の女の子達も覚えるわ。

 わざわざ男性客用の接客要員雇って人件費をムダに使うことない。


「セレシアさん、あたしと初めて会った時、服を売りつけようとしたじゃん。今あれが必要な場面だぞ?」

「男は別嬪さんの押しに弱いと相場が決まってるんだぜ」

「イシュトバーンさんの言う通りだよ。セレシアさんが買えって言ったら買うわ」

「オレならな」


 セレシアさんの表情が引き締まる。


「わかりました。努力します」


 うんうん、期待してるよ。

 カラーズ初のショップということで、おそらく成功失敗はあたしだけじゃなく、各村の族長達も注目していると思うのだ。

 カラーズ産のものはいいという評判になれば、カラーズ~レイノス間の交易も活発になるしな。


「じゃあ、あたしは帰るよ。着替えてくる」

「あっ、ユーラシアさん。お礼は後ほど必ず!」

「いらないよ。頑張ってね! 応援してる」


 今日も楽しいイベントだったからいいのだ。

 カラーズひいてはドーラを発展させるために助力できたと思えば気分がいいしな。

 急ぎいつものチュニックに着替えて戻る。


「イシュトバーンさんは護衛の人におぶってもらって帰ってね」

「まあ今日はしょうがねえな。オレもスケッチしてえんだ」

「絵の心得があるんだ?」

「ちょっとな」


 似合わないウインク。

 へー、イシュトバーンさん多才だな。


「あんた、今度はいつレイノスへ来るんだ?」

「えーと、予定としては五日後かな。イシュトバーンさんに招待されて、輸送隊が揃ってレイノスに来る日じゃん? その前にもしマンティコアをお肉にできたら、持ってくから食べようよ。ヴィル飛ばして連絡するね」

「オーケーだ。楽しみにしてるぜ」


 あれっ? マンティコア肉を期待されてるのかな?

 これはフラグのような気がする。

 さて、ラルフ君とヨハンさんはまだここにいるのかな?


「ヨハンさんはどうするの?」

「私も店長さんと打ち合わせしたら帰りますよ」


 布地や糸とかの仕入れについてか。

 軽く打ち合わせくらいですむなら、事前にかなり話ができているんだろうな。


「師匠」

「ラルフ君達はヨハンさんの護衛だね?」

「はい。明日、お時間よろしいでしょうか?」


 ほう?

 ラルフ君はもちろん、盾役の剣士ゴール君、魔法剣士ムオリス君、アーチャーのウスマン君、皆いい顔してるじゃないか。

 帝国戦に対する覚悟ができたんだな?


「よくわかった。明日の朝、ギルドで会おう!」

「「「「はい!」」」」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


「ただいまー」

「お帰りなさい」


 うちの子達が迎えてくれる。

 おうおう、皆元気いいじゃないか。

 それなりに楽しかったんだな?


「レイノスの店はまあまあ何とかなったよ。出足としては上々かな」

「よかったですねえ」

「マジでよかった。皆はどうだった?」

「フィッシュのソルトグリル、食べるね?」

「あっ、ありがとう! 食べる食べる!」


 海へ魚取りに行ったんだね。

 ふんふーんお腹減ったぞー……って、結構な魚の量だな?

 ダンテのレベルも高くなってるから、『サンダーボルト』で感電漁法じゃ威力が強過ぎるのかしらん?


「アトム、『マジックボム』の実験はどうだった?」

「三時間くらいだとあまり威力も変わらず爆発しやすね。残りは続行中でやす」


 なるほど。

 結構な時間、効力は持続する、と。


「あれって踏んづけたりしても爆発するんだ?」

「衝撃を与えれば、何でもボン! ですぜ」

「アトムはレベルが上がって、『魔力操作』が上手くなったとかある?」

「あ、どうでやしょう? 自分じゃよくわかりやせん」


 ふむ、まあ過程よりも今の効力が問題か。


「明日どのくらい効力残ってるか調べよう」

「へい!」

「ユー様、午後は魔境ですか?」

「そうだね。魔宝玉を稼がにゃならん。明日はラルフ君に呼ばれたから、朝からギルド行くよ」


 ダンテが不審げな声を出す。


「ラルフボーイ?」

「覚悟決めたみたいだぞ?」


 魔境レベリングしてくれという意味だろう。

 あれだけトラウマを植えつけてしまったのに、克服するとは成長したもんだ。

 師匠として誇らしいわ。

 帝国戦でラルフ君パーティーを使えるならば、あたしにも考えがある。


「ユー様、焼けましたよ」

「ありがとう。あっ、おいしいおいしい!」


 魚の塩焼きはシンプルで美味いけどなあ。

 これもレイノスで流行りゃいいのに。

 でも頭や骨のくっついてるやつを食べるのは、まだハードル高いかもなー。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。

 愛しの、あーんど麗しの魔境にやって来た。


「オニオンさーん、こんにちは!」

「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」


 タマネギ頭の中にかなりの知識を詰め込んだ小男、魔境ガイドのオニオンさんだ。


「あれ、どうしました? 何だかお疲れのようですか?」

「今日午前中、服屋の売り子やってたんだよ」

「服屋、ですか?」


 首をかしげるオニオンさん。

 わかるまい。

 服屋のイメージに合わないとも思っているんだろう。

 あたしだってそう思うわ。


「イシュトバーンさんがレイノスのすげえいい場所の空き店を貸してくれてね。そこでカラーズから進出してきた服屋がオープンしたの」

「ほう、ユーラシアさんは、冒険者以外の事業も積極的に手を出しておられるとか?」

「いや、あたしがやってるわけじゃないんだ。単なるお手伝いなんだけど、カラーズとレイノスの交易が盛んになると楽しいでしょ? その一環なんだよ」

「ははあ、ドーラ全体で考えてらっしゃるんですねえ」


 戦争を視野に入れてお節介焼いてるって思われそうだな。

 でも違うのだ。

 ドーラを発展させたい、交易を活発にしたいってのは元々戦争とは別口だからね。

 単にあたしの趣味だよ。


「で、慣れないことは骨が折れるから、魔境に癒されに来た」

「魔宝玉クエストの締め切りが今月二七日でしたっけ?」

「そうそう、五日後。おっぱいさんに期待されてるから張り切らないと」

「ハハハ、行ってらっしゃいませ」

「行ってくる! 今日は多分、北辺まで行ってそのまま転移の玉で帰るね」

「了解です。お気をつけて」


 ユーラシア隊出撃。

 考えてみりゃ魔宝玉クエストには随分楽しませてもらったものだなあ。

 あと五日かあ。

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