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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第283話:『ボクレディー』という謎ワード

「姐御、明日はどうしやす?」


 夕食時にアトムが聞いてくる。

 今日は昼、海の王国でかなりがっつり食べたので、夜は薬草のスープとクララ達が森で摘んできた実で軽くすませている。


 あたしだってちょっとは考えているのだ。

 お腹も存分に働いたら休みたいだろうから。

 ……べつにお腹が働き過ぎでストライキ起こしたらお肉を食べられなくなる、なんてことを考えているわけじゃないよガクブル。


「ゼンさんに作ってもらってるパワーカードができてくるんだよなー」


 攻撃力とマジックポイント自動回復を備えた、魔法やバトルスキルをよく使用する物理アタッカー向きのパワーカードを特注しているのだ。

 ウィッカーマン戦でマジックポイント消費の多い『ハヤブサ斬り・零式』を使ったり、戦後に『リフレッシュ』を使ったりしていると、どうしてもあたしのマジックポイント消費量が目立って多くなる。

 マジックウォーターで回復したり、『魔力操作』持ちのアトムにマジックポイントを譲ってもらう手もある。

 まあでもそれは根本的な解決手段じゃないので、快適な魔宝玉狩りライフを満喫するために、新カードに期待するところは大きい。


 魔法の葉?

 あんな不味いものにはあえて触れないようにしているのだ。

 察しろ。


「素材採取と魔宝玉獲得をメインで魔境行こう。交換に素材は最低四五個必要なんだっけ?」


 今アルアさんとこでの交換ポイントは一五五。

 新カードの交換に二〇〇ポイントが必要なんだよな。


「そうですね」

「いくつかは手持ちの素材があるし、残りはちょうど午前中で稼げる数じゃない?」

「アイシンクソー、トゥー」


 その後はアルアさん家とギルドでいいと思う。

 明日も楽しい一日が待っている。


「おー赤い実が酸っぱいけどおいしいよ」

「あのボンが向こうの精霊使いを想ってるってのは、かなり意外でやすね」

「あたしを放ったらかしにして浮気するとは、アレクのやつ許せんな」


 アハハと笑い合う。


「たださー、アレクがエルをか。うーん、どこまでマジなんだか」

「ライクかラブかってことね?」

「ユー様でもわかりませんか?」

「ちょっとわかんなかった」


 今日はある意味商談の場だったから、あまり込み入った質問できなかったしな。

 アレクもあたしに突っ込まれるのは想定済みだったんだろう。

 ガッチリ対策されていたようだし。


「どうからかうべきだと思う?」

「姐御がそういう質問するの、珍しいでやすね?」


 アトムが心底意外そうだ。


「あたしだって迷う時はあるわ。いや、今日軽くいなされちゃったからさ。違うアプローチが必要なのかなと」


 とゆーかあたしのことをよく知ってるアレクに、最初から逃げを打たれると追いきれないのだ。

 くどいツッコミは美学に反するしな。

 常に意表を突きたい乙女心を酌め。


「考え過ぎじゃないですか?」

「かなあ?」

「ブルーの族長ね」

「え? セレシアさん?」


 ダンテの視点は独特だ。

 時々変わったことを言い出す。

 参考にしようじゃないか。


「チュートリアルレディーと肥溜めガールのヘッドアクセサリーを頼んでるからまた会うね?」

「うん」


 レイノス商人ヨハンさんが来る時だって、あたしは同席するだろうしな。

 セレシアさんと会う機会はある。


「ボクレディーに似合うアクセサリーを買うか頼むかして、アレクボーイに渡せばいいね」

「おおおお、できるやつだなダンテは! 採用!」

「ロマンチックですねえ」


 『ボクレディー』という謎ワードはさておき、ダンテ案ならいい感じで話題を展開できそうだ。

 青の族長セレシアさんはエルと面識があるから、きっと良さげなアイテムを選んでくれるに違いない。


「明後日の商談会でセレシアさんと会うから相談してみよ」


 うんうん、いい知恵も出た。

 ゆっくり寝て明日に備えよう。


          ◇


 ――――――――――六六日目。


 フイィィーンシュパパパッ。


「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」

「こんにちはー、オニオンさん」


 今日は朝から魔境だ。

 魔境はいつ来ても気分がいいなあ。


「本日のテーマはあるんですか?」

「おっ、テーマと来たね」


 オニオンさんもうちのパーティーの特性がわかってきたんだろうな。

 最近すごくノリがいい。


「クエストがあるから魔宝玉集めはもちろんなんだけど、今日は素材も集めなきゃいけないんだ。積極的に人形系レア以外も倒してみようかと思って」

「ああ、なるほど」

「どういう魔物狙って倒したらいいかな? 人形系ばっかり倒してたから、よくわかんないんだよ」

「素材を得られる魔物ということですね?」


 オニオンさんが顎に手を当てて語る。


「やはり代表的なのが真のドラゴン族で、例外なく顎の下に『逆鱗』を生やしています。ティターンやサイクロプスに代表される高級巨人族の持つ棍棒は『巨人樫の幹』製です。あとはそうですね、ケルベロスの背中からたまに取れる『エナメル皮』、ベヘモスの体内で生成される『ベヘモス香』、ワイバーンの脚から取れる『ワイバーンの爪』、この辺が代表的なところでしょうか。中央部の最強モンスター群になると、特にレアドロップなど全く知られておりません」

「ありがとう、オニオンさん。でも中央部の魔物は強そうだから、ウィッカーマン以外とは戦いたくないなあ」


 あたしより強い者に遭いに行く、なんて殊勝なバトル精神は持ち合わせていないのだ。

 うちは堅実な冒険者パーティーだから。

 反論は受けつけない。


「楽して稼ぎたいモットーなの」

「ハハハ、行ってらっしゃいませ」


 ユーラシア隊出撃。


 まずはオーガ帯を行く。

 早速魔物がいるな。


「ケルベロスでやすね」

「あれも素材落とすことあるって、オニオンさんが言ってたな。倒しとこうか」


 『雑魚は往ね』なんですけれども。


「リフレッシュ! ドロップはなかったか。まあ仕方ない」


 ケルベロスはかなり倒してるはずなんだが、一度も『エナメル皮』なんて落としたことないな。

 かなりレアな素材なんだろうか?


 さらに進む。

 特注の新カードは今後の魔境探索の効率を左右するので、早めに手に入れなきゃいけない。

 となると素材を得るのを優先したい。

 素材を効率よく拾えるのはオーガ帯なんだが、中へ行かないとクエストに必要な高級魔宝玉は手に入らないしなあ。

 どーすべ?


「オーガ帯で一〇個素材が手に入ったら中行こう」

「「「了解!」」」

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