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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第233話:急がばローリング

「今日はどの辺り行きやすか?」


 探索を始めると大体アトムが方針を聞いてくる。

 うちのパーティーのルーティンの一つだ。


「反対側行きたいのは山々なんだけど」


 魔境の中央部を挟んで、ベースキャンプとちょうど反対側に当たる北側はまだ全然手つかずなのだ。

 とゆーか魔境ビギナーはベースキャンプ周辺しか行けないし、レベルが上がればドラゴンを目指すだろう。

 魔境の北側なんかに用がある人はいないんじゃないの?

 ひょっとすると誰も行ったことがない場所かもしれない。 


「向こうを探索するとなると一日仕事になりますよ。時間が取れる時に、お弁当持って行きましょう」

「クララの『フライ』でびゅーんと北まで行くことは難しい?」

「魔境中央部の魔物については未知数ですし、ワイバーンのような飛行魔物が群れていると危険かもしれません。もう少しレベルがあれば危険度は減ります。飛行魔法はレベル依存ですから」

「ふむふむ、了解。今日はまずオーガ帯西側を探索して、ワイバーン帯ドラゴン帯に入ろう。基本、クレイジーパペットとデカダンス以外、相手にしない方針で」

「「「了解!」」」


 魔宝玉と経験値を優先するのは今までと変わらずだ。

 アンドお肉の三つを重視するのは、あたし達が冒険者を続ける限り変わらないかもしれないな。


 ベースキャンプから西へ。

 オーガ帯で普通に採取できるのだから珍しくはないのだろうけれど、見覚えのない素材もあるな。

 場所によって手に入るものが違う。

 魔境はぐるっと回ってどこで何を得ることができるか、知っておくべきだと思う。 


「これ、タイムですね」


 クララが草だか灌木だかを指し示す。

 タイムくらいはあたしも知ってる。

 肉料理に合わせる有名なハーブだ。

 帝国では魚料理にも使うというが?


「変わった点ある?」

「香りが明らかに強いです。そういう種類なのか、魔境だからなのかはわかりませんが」

「少し持っていって、家にも植えようか?」

「一枝持って行けば挿し木できるかと思います」


 ラルフ君パパと香辛料を充実させたいって話をしたばかりだが、ハーブも味付けに関わる類だ。

 あちこちで見つけたら増やして広めたい。

 料理法が未熟だとハーブティーにしかならないけど、豊富にあれば誰かがうまい使い道を考えつくだろ。

 少しずつ食生活が豊かになると思うと嬉しいなあ。

 商売のネタになる植物もきっと多いと思う。

 魔境は本当にいいところだ。


 時々現れるクレイジーパペットを倒しつつドラゴン帯へ。

 丁寧に『実りある経験』をかけてから倒すのが、美少女精霊使いパーティーのエチケット。


「透輝珠と藍珠ゲット。ドラゴン帯をぐるっと一回りしようか」

「「「了解!」」」


 寒くなってきたと思ったらアイスドラゴンがいる。


「アイスドラゴンってレッドドラゴンと同じくらいの強さ?」

「一般的には同格と言われてますね」

「レッドドラゴンはこっちのステータス値下げてくる全体攻撃技あるじゃん?」

「『カースドウインド』でやすね?」

「うん。嫌らしい技使ってくる分、他のドラゴンより強い気がするなあ」

「アイスドラゴンはスルーね?」

「ドラゴンスレイヤー様が鷹揚に見逃してやろうじゃないか」


 ムダな戦いは避けよう。

 今日はこの前よりレベルが上がってるせいか、ドラゴンを倒した気持ちの余裕からか、落ち着いて周りを見られる気がする。

 いや、この前はデカダンス倒しまくりで浮かれてたからだな。


「魔力濃度が高いからって貴重な素材があるとは限らねえんだなあ」

「うーん、因果関係はもう一つわからんな。生物系の素材はそうでもないんだろうけど、戦闘はもっとレベル高くなってからね」

「デカダンス二体ね」


 デカダンス二体は初めてだな。

 『薙ぎ払い』で楽勝なのだ。


          ◇


 この前ほどではないが、デカダンスやクレイジーパペットをかなり倒した。

 結局レベルが四、五上がり、全員のレベルが六二となったところで帰途に就く。


「お帰りなさいませ」


 オニオンさんがにこやかに迎えてくれる。


「ただいまー」

「どうでした?」

「デカダンスを何体か倒したけど、黄金皇珠は落としていかなかったなー」

「ハハッ、レアドロップですからね」


 思ったよりデカダンスが黄金皇珠をドロップするのは稀なのかもしれない。

 となるとウィッカーマンを倒す備えを急ぎたいものだが。


「今日は帰りまーす」

「お疲れ様でした」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


「はい、作戦会議を始めまーす」


 夕食を終えたあと、今後の方針を決める。


「ウィッカーマンはどうやらメッチャ強いみたい。どうしよ?」

「パワーカードの『ファイブスター』か『三光輪』のどちらかは必須だと思います」

「どんなカードだったっけ?」


 『ファイブスター』は火・氷・雷・風・土全てに三〇%の耐性、『三光輪』は火・氷・雷に三〇%の耐性及び魔法防御に補正がつくのだそうだ。

 似た傾向のカードだが、『ファイブスター』は応用範囲が広く、対ウィッカーマンに限れば魔法防御が上がる分『三光輪』の方がいい。


「ウィッカーマンの『メドローア』対策に火と氷の耐性は必須。でも『寒桜』と『フレイムタン』で二枠使うのは、攻撃を薄くしてしまうので得策ではないです。『ファイブスター』や『三光輪』はコモンの素材で製作できると思いますので、そろそろリストにチェックされてもおかしくないのですが」

「コルム兄かギルドのベルさんに頼めば手に入るだろうけど……」

「急がばローリングね」


 ダンテの言う通りだ。

 レベル上げのほうがどう考えても先。


「明日はどうしやす?」

「森へ行って食べられる実は取りたいし、干し柿も作りたいな」

「ユー様、柿を吊るすのに適当な紐がありませんので、購入しましょう」

「じゃ、午前中に灰の村か緩衝地帯で紐を手に入れて、帰りに森に寄ろうか」

「「「賛成」」」

「午後はどうしよう?」


 アルアさんとこかギルドか魔境か。


「肥溜めガールね」

「え?」


 ほこら守りの村のマーシャか。

 意外な意見だが?


「アイシンク、プランが決めにくいのはインビジブルな要素がメニーだからね。ならばこそ占いね」

「……一理ある」


 リタとマーシャの様子も見ておきたいしな。


「よし、ほこら守りの村行こう。その後時間があるようなら魔境だね」

「「「了解!」」」

「本日はここまで、おやすみっ!」

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