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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第185話:探索し甲斐があるらしい

 ――――――――――四八日目。


 いい天気だなあ。

 畑番の精霊カカシと話をしながら作業をする。


「カカシー、じゃあサツマイモは少しずつ収穫でいいんだ?」

「まだ太るからな。今のところはその日食べる分だけ穿ればいいぜ。一ヶ月くらいかけてゆっくり収穫してくれよ」

「わかった、ありがとう」


 バエちゃんに持っていってやってもいいな。

 サツマイモは保存が利くし、ちょっと置いといたほうが甘くなっておいしいくらいだ。


 さて今日はどうするか。

 色々用はあるのだが、とりあえずパワーカード工房で換金だな。

 魔境で拾ってきた素材も色々あるし、魔宝玉もいくつかある。

 アルアさんとことギルド、魔境で戦ってバエちゃんとこでかれえパーティーってとこか。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。

 パワーカード工房にやって来た。


「アルアさーん、ゼンさーん、お土産にお肉持ってきた!」

「そりゃ嬉しいねえ」


 ゼンさんも作業の手を止めてこっち来たぞ。


「……ゼンさん、顔がシャープになってない?」

「おう、少しいい男になったかな」

「そーきたか。あんまりムリしないでね」

「今が頑張りどころだからな」

「頑張りどころなのかー。御飯ちゃんと食べてる?」

「肉は好物だぜ!」


 知ってる。

 お肉は大体誰にとってもごちそーだ。

 アルアさんが聞いてくる。


「これは何の肉だい?」

「コブタマンの肉だよ。ゼンさんの故郷ではコッカーっていうメチャクチャ美味いお肉が住んでたけど、コブタ肉も脂が乗ってておいしいって評判なんだ」

「ありがとうよ。ところで魔境はどうだった?」

「魔物が結構強いねえ。少し戦って回復魔法陣の繰り返しかな」


 アルアさんが感心したように頷く。


「ほう、じゃあオーガやケルベロスは問題なく倒せるのかい? ならば心配はいらないね」


 ……傍から見ると問題ないのかなあ?

 ドラゴンに勝てる気なんか全然しないんだけど。

 先がメッチャ長いような気がしている。

 こーゆーところがあたしのせっかちな部分なんだろうな。


 アルアさんがしわ深い目を細めて諭してくれる。


「魔境は自分の限界を意識させられるメルクマールだそうな。魔境到達に満足して冒険者を辞めてしまう者も多い」

「らしいねえ」

「アンタは魔境へ行けたからって冒険者辞めてしまう気はないんだろう?」

「全然。あたしはまだ冒険者生活始めたばっかりだし」


 魔境は素材や魔宝玉がたくさん手に入るから稼ぎやすいし。

 オニオンさんも言ってたけど、全体的に魔物の経験値が高いからレベル上げに最適だし。

 何より有用な植物が多いっぽいのだ。

 広く探索したい。

 

「オーガやケルベロスに勝てるなら焦ることはないよ。ボチボチレベルを上げていけばいいさ。まあドラゴンだって、レベル三〇そこそこの冒険者に倒されるわけにいくまいが」

「それはそーなんだけど」

「おや、いつになく弱気だね。一つやる気の出る話をしてやろう」

「え? 何だろ?」


 新しい情報をくれるらしいぞ?


「アンタまだベースキャンプ近辺のオーガ帯で戦ってるだけだろう?」

「うん」

「魔境ってとこはかなり変化に富んでいてね。同じオーガ帯でもベースキャンプ近くと遠くとでは全然環境が違うんだよ」


 ほう、魔力濃度の違いだけが環境を決めてるんじゃないんだ?

 とゆーことは?


「魔境の中でもあっちとこっちでは手に入る素材も生えてる植物も全然違うってことさ。陸上で手に入る素材の内、生物系以外は全て手に入るって説もある」

「じゃあ魔界で戦ってれば、アルアさんのところで交換できるパワーカードは、ほとんど手に入ることになる?」

「ほとんどは言い過ぎだね。生物系素材は案外多いし、ドーラ大陸じゃ手に入らない素材もある。『かなり』にしとこうか」


 かかかっ、というアルアさんの乾いた笑い。

 魔境はかなり探索し甲斐があるんだな。

 楽しみが増えたぞ。


「アンタこそムリするんじゃないよ。ある程度の実力がなきゃ、ベースキャンプから離れた場所へ行くのは難しかろう?」

「そーなんだよね。マジックポイント切れでまだ全然遠くに行けない感じなの」

「工夫しな」


 表情のわかりづらい、意味深な表情で見てくるアルアさん。

 工夫でどうにかなるような言い方だな?

 アルアさんくらいの年齢なら、すごくたくさんの冒険者を見てきただろう。

 中にはドラゴンスレイヤーみたいな、魔境での成功者もいたはず。


 ドラゴンスレイヤーであればオーガ帯ワイバーン帯から飛び出して、少なくともドラゴン帯までは行ってるということだ。

 一体どうやって?

 レベル上がったって、ふつーに考えりゃドラゴン帯に行くまでにマジックポイント切れちゃいそうだしな?

 いや、何でもかんでも戦ってちゃダメなのか。

 相手にする魔物を決めてかかって専用に装備を特化して戦ってりゃ、マジックポイントは節約できるかもしれない。


 作戦が必要みたいだが、そもそもうちのパーティーはまだドラゴンと戦える実力がない。

 オーガ帯から中へ入ったって得るものがないんじゃないかな?

 それとももう少し中の魔物の強いゾーンで手に入る素材で、状況を打開できるパワーカードが作れるとか?


「むーん?」

「おや、どうした? 随分考えてたみたいじゃないか」

「難しい。考えてると頭がぷしゅーってなっちゃう」

「かかかっ、あれこれ考えなきゃいけないようなことは、大体レベルが解決するよ」


 うん、基本はレベルだな。

 魔境でレベルを上げつつ、探索でおゼゼ稼ぎと有用なものを手に入れるのが賢いか。

 地道なやり方はあんまり好きじゃないんだが。

 あっと驚くような方法で鮮やかに解決するのが、美少女精霊使いの好物です。


「素材を換金していくかい?」

「お願いしまーす」


 残り交換ポイントは六二一。

 今回新しく交換対象になったパワーカードは『スプリットリング』だ。


 『スプリットリング』HP再生一〇%、MP再生四%


 交換に必要なポイントは一〇〇。

 自動回復専用の装備品だ。

 誰が使ってもまずまずの効果を期待できるカードだな。

 あるいは魔境でマジックポイントを節約しながら探索するためには、自動回復がカギかもしれない。


 前回来た時渡した超レア素材『大王結石』の交換対象カードはまだないようだ。

 ま、次回に期待だな。

 楽しみは残ってた方がいい。

 アルアさんが最高傑作を作ってくれるって言ってたし。

 大体レベルが解決するって、きっとその通りだな。

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