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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第177話:お兄さんズと共闘

「ただいまー」

「お帰りなさいませ」


 オニオンさんが迎えてくれる。

 さすがに美少女冒険者の帰還とあって、興味ありげだな。


「いかがでしたか? 初めての魔境探索は」

「うん、オーガ三体とクレイジーパペット一体倒してきた」

「何と! 合計四体もですか? しかもクレイジーパペット……」

「さすがに強いね。もうマジックポイントがあんまりないから戻ってきたんだよ」

「いやあ、ユーラシアさんならすぐクエスト完了になるでしょう」

「この『魔境トレーニング』は、どうしたらクエスト完了扱いになるの?」


 どーしていかがわしいものを見るような目になるのだ。


「……最初にお尋ねになるべきでは?」

「聞きたい時に聞きたいことを聞く。それがあたしの生きる道」

「くっ、ポリシーでは仕方ありません」


 こんなんで納得したぞ?

 大丈夫かこの人。


「一〇〇体の魔物を倒すか真の竜族を倒すか、どちらかの条件を満たした時に魔境クエストはクリア扱いになり、次の『地図の石板』が配給されます」


 こそっとクララが教えてくれる。


「ユー様、同じ竜族に分類されていてもワイバーンやヒドラ、首長竜などは亜竜と呼ばれます。真の竜族とは亜竜ではない竜族のことで、倒せば『ドラゴンスレイヤー』の称号が得られます。ただし強さは桁違いです」



 ドラゴンスレイヤーはなかなか響きがかっちょいいけど、今のあたし達ではムリだなあ。

 一〇〇体倒すのを当面の目標としよう。

 今四体か。

 魔物断ち一〇〇刃できるかな。


「わかった、ありがとう。魔境にはどういう魔物が生息しているのかな」

「ですから最初に……」

「それがあたしの生きる道」

「くっ」


 悔しそう。

 仕方なくオニオンさんが説明し出す。


「一番外側にオーガや魔獣の出る一帯があり、その内側は亜竜、ガーゴイル、低級巨人、レッサーデーモンなどの出現するエリアです。さらに内側に真の竜族、高級巨人、グリフォン、マンティコア、グレーターデーモンなど、最も中央に近いエリアはリッチー、イビルドラゴンなど最上級の魔物が生息しています。エリア一つ跨ぐと魔物の強さが段違いになりますのでお気をつけください。ただし得られる経験値も段違いです」


 オーガでも経験値は踊る人形並みだぞ?

 どんだけ魔境すごいんだ。


「わかった、今日は一番外側で満足することにするよ」

「え、今日はって? お帰りになるのではないので?」

「何で? まだ来たばっかりじゃん」

「いえ、魔境を初めて訪れた冒険者は、一回戦闘を経験したら帰還するものなのです。やはり強敵との戦いは体力と精神を消耗するものですから」

「ふーん。あたしは何もしてない方が退屈で耐えられないけどなあ?」


 だから珍獣を見るような目で見るな。

 回復魔法陣で回復と。


「行ってくる!」


 ユーラシア隊出撃、オニオンさんもあたし達のノリに早く慣れて欲しいなあ。


          ◇


 ケルベロスを倒してその周りに集まっていた時、二人の冒険者が声をかけてきた。


「やあ、掃討戦で名を上げた精霊使いユーラシアというのは君だろう?」


 剣士と魔法使いだ。

 どこかで見たような?


「あっ、チュートリアルルームでバエちゃんに言い寄ってた二人だ!」

「「言い寄ってない!」」


 慌てて否定する二人。

 そして話題を変えよーとする。

 このままバエちゃんの話でも構わんのだが。


「君もう魔境に来てるのかい?」

「精霊使いが『アトラスの冒険者』になったって噂で聞いたのが、つい一ヶ月くらい前だったような気がするが」

「掃討戦の最後にデカダンスっていう人形系のでっかい魔物倒したら、一〇以上レベルが上がったの」

「よく倒せたものだ」

「皆が助けてくれたんだよ」


 あれは今思い出しても、あたしの冒険者経歴(約一ヶ月半)におけるベストバウトだった。

 ただもう二度と経験したくない。

 あたしとしてはもっと楽に戦いたいから。


 ローブ姿の魔法使いが聞いてくる。


「倒したケルベロスに用があるのか? 何かの研究か?」

「いや、食べたらおいしいのかなーと思って」

「「……」」


 二人が絶句する。


「肉食魔獣は美味くないからね?」

「倒した魔物の腐肉が次の魔物を育てるという、魔境のサイクルもあるしな。うん」

「やっぱ不味いのか。お兄さん達、教えてくれてありがとう!」


 にこやかに返答するあたしとは対照的な顔で見つめる二人。


「な、なあ君。俺達と共闘しないか?」

「うむ、どうも危なっかしいというか……」

「ありがとう、よろしく」


 剣士に提案される。


「分け前は俺達が薬草、君達がそれ以外全部でどうだい?」

「え? ありがたいけど、あたし達に有利過ぎない?」

「ぶっちゃけステータスアップの薬草が欲しいんだ」


 なるほど。

 そうそうレベルは上げられないから、ステータスアップ薬草で強くなろうとしてるんだな?


「金には困ってないんでね」

「うわあ、あたしもブルジョワなセリフ言ってみたい」

「うむ、ではいってみよう」


          ◇


「……初めてだよ、クレイジーパペット倒せたの」


 剣士が呆然と呟く。


「やたっ、また透輝珠ドロップしてる!」

「見たことも聞いたこともないスキルだ」

「『勇者の旋律』? ペペさんにもらったんだ。人形系に効果高いってことはついさっき知ったんだけど」

「いや、『勇者の旋律』もだが、経験値が倍になるスキル、何だあれは?」

「『実りある経験』? やっぱりペペさんから買ったの」


 魔法使いも唖然としている。


「二回行動できるアクセサリー、あれもチートだろ」

「『あやかし鏡』? メッチャひどいよねえ」


 剣士が謝ってきた。


「すまなかったね、良かれと思って共闘に誘ったんだけど」

「うむ、余計なことだった」

「余計じゃないってば。楽しいよ?」


 魔法使いが慌てて言う。


「いや、共闘の場合、経験値は全員が通常分もらえるのだが、戦闘回数は二分の一回で計算されるのだ」

「君らも早く次の石板を出したいだろうに、却って邪魔しちゃったみたいだね」

「まさかこれほどの実力を持っているとは思わなくてな。掃討戦の活躍がフロックでないことは、よくわかった」


 恐縮されても困っちゃうよ。


「もう少し共闘していこうよ。あんまりベースキャンプに戻らなくていいから楽なんだ」

「いいのかい? 俺達は経験値が倍になって万々歳なんだが」

「もちろん」


 先輩冒険者の話も色々聞きたいしな。

 情報は必要だから。

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