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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1245話:フリードリヒさんと悪魔談義

 宮殿の応接間に通されまったりしていると、フリードリヒ公爵以下四人が入ってきた。

 一人知らん子がいるな。

 長男は帝都の騎士ということだったので、ヘルムート君とパウリーネさんの弟だろう。

 身体は大きめだけど、あたしより年下と見た。

 あんまり顔の締まりがない気がする。

 末っ子で甘やかされてるからかな?


「末っ子のパスカルだ。よろしくね」

「ユーラシアだよ。よろしく、パスカル君」

「こちらこそよろし……ひやああああ!」


 ぎゅっと手を握ってきたから、帝国流の勝負かと思ったわ。

 握り返してやったのがよろしくなかったみたい。 


「あ、ごめん。ちょっと力強かったかな」


 パスカル君が手をふーふーしとるわ。

 フリードリヒさんとヘルムート君がニヤニヤしてる。

 ははあ、さては可愛い子を見るとすぐ手を握ろうとするんだな?

 このえっちな末っ子は。


「パウリーネさん、これプリンスからお手紙だよ」

「あっ、ありがとうございます!」

「返事書けたら持っていくけど」

「では、急いで書いてきますね」


 パウリーネさんがスキップしながら出て行く。

 わかりやすっ!

 図鑑に『恋する乙女』って項目があったら、まんま掲載したいわ。

 

「ヘルムート君はガータンへいつ発つのかな?」

「最低限の準備が終わり次第だな。天気が良ければ明日だ」

「一日で着いちゃう?」

「うむ」

「暇ができたら遊びに行くよ」


 フリードリヒさんが意味深に言う。


「しかし、ユーラシア君は忙しいだろう?」

「忙しいと言えば忙しいね」


 フリードリヒさんはどこまで知ってるんだろうな?

 まあ全部話すつもりだが。

 おもむろにフリードリヒさんが言う。


「……ソロモコ遠征計画の裏は取れた。ガレリウス様の喪明けすぐだそうだな?」

「うん。来月の三日にタムポートから進発予定」


 驚きを隠そうとしてるが隠し切れないパスカル君。

 ヘルムート君は平然としてるわ。

 パスカル君に聞かせて大丈夫か? とは思うが、ここ帝都じゃないしな。

 フリードリヒさんも言い聞かせるだろうから問題ないだろ。


「ソロモコは魔王が絡んでる面倒な島だって言ってたろう? そこを詳しく聞きたい」

「魔王というのは配下に高位魔族が何人もいて、一番上に君臨する存在のことね。悪魔は負力って呼ばれる感情、一般には悪感情をエネルギーにしてるんだ」


 頷く皆さん。

 ここまでは悪魔に関するよく知られた知識のようだから、知ってる人は知ってるだろ。


「ここにあんまり知られてない事実があるんだけど、悪魔は悪感情よりも尊敬とか承認とかの方が好きなの」

「そうなのかい?」

「そうぬよ?」

「何人かの悪魔に会ったけど、例外はないな。認めてやるってのは、悪魔に対する殺し文句のような気がしてる」

「御主人にパワーがあるからぬよ? パワーのない人間に認められてもイマイチだぬ。悪感情で得られる強い負力を目的に、ぞんざいに接する高位魔族は多いと思うぬ」

「なるほどー」


 やっぱレベルがないと悪魔と付き合うのは難しいのか。

 そして悪感情の負力は強いらしい。

 だから悪魔は手っ取り早く人間を嫌な気分にさせようとするんだな?


「魔王は配下から尊敬の感情を得ているけど、逆に魔王も負力を分配して配下を繋ぎとめなきゃいけない。だから普通、魔王は人間と揉め事を起こして悪感情を集めようとするんだ」

「そんなこととは……」

「待ってくれ。悪魔同士で認め合ったりすることはないのかい?」

「難しいぬ。バカにし合うのが常態なんだぬ」

「あたしも認め合うのが可能なら一番いいと思うんだけど、プライドが高いからかムリみたい。基本的に悪魔はソロ活動なんだ。好感情好きのヴィルでもうちの子になる前はソロだったんだよ」


 よしよし、ぎゅっとしてやろう。


「で、ソロモコの話に戻るね。ソロモコではフクロウの神様を信仰してるんだ。それを利用して、フクロウの格好したゾラスっていう悪魔が尊敬の感情を集めて魔王に送ってるの」

「……尊敬の感情を配下の悪魔に配ってるから、現在の魔王は人間と揉める必要がない?」

「正解でーす。でもソロモコが征服されちゃうと……」

「尊敬の感情を分配することができなくなる魔王は、人間とことを構えざるを得ない、か。なるほど、大事だ……」


 ヘルムート君が言う。


「ユーラシア殿は、クエストだから何とかすると言っていたが……」

「あたしも『アトラスの冒険者』のクエストでソロモコに飛べるようになって、魔王の支配のカラクリに気付いたんだ。一方であたしの仲間の冒険者が魔王関係のクエストやってて、あたしも明日魔王に会えるの。魔王の言い分も聞いてくる予定だよ」

「今のが作り話じゃないって証拠でもあるのか?」


 パスカル君の疑惑もわかる。


「実はないんだよなー。でも疑り深いフリードリヒさんが頷いてるのは、きっと掴んでる事実と矛盾がないからだぞ?」

「父上……」

「ドミティウス様が高位魔族を引き寄せる固有能力持ちだと言っていたな? 今も悪魔に憑かれているのか?」

「多分」


 一人側にいれば他の悪魔は寄らないだろうから、おそらくは一人だけ。


「ドミティウス様の側にどんな悪魔がいるか、ヴィルちゃんに調べてもらうことは可能かい?」

「できるぬよ?」

「ちょっと待った! ヴィルがうちの子なのは有名だからダメ。あたしがヴィル使って主席執政官閣下とつるんでる悪魔調べてるなんて思われたら、帝国とドーラの関係が悪くなっちゃう。あたしの活動と商売に差し支えそうなことはお断り」


 苦笑しながらも頷くフリードリヒさん。

 この人も商売人だなあ。


「でも聖火教徒のリモネスさんか、ドルゴス宮廷魔道士長なら知ってるんじゃないかな。この二人はあたしが悪魔に対してオープンなこともバアルのことも知ってるから、あたしが聞けば教えてくれると思うけど」

「もし聞けたら、僕にも教えてくれないかな?」

「りょーかいでーす」


 フリードリヒさんは、どの悪魔が第二皇子に影響を与えているかが重要なことだと考えているらしい?

 わからんでもないな。

 バアルみたいな大悪魔は思考への影響力大きいと思うけど、ヴィルなんかいい子だから全然だもん。 

 フリードリヒさんはバアルと面識あったくらいだから、他の子とも会ったことがあるのかもしれない。


 これ以上ない真剣な目で問うてくるフリードリヒさん。

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