第11話 届かない言葉
私はアリス。
悪役よ。
今、私の体はマオちゃんに貸してるの。
ちなみに、マオちゃんの行動は
全て把握済みよ。
というわけで、お昼を食べ終わった
マオちゃんとカイトの様子を見て行きましょう!
……。
…………。
学校の廊下。
二人は教室に戻るところだった。
カイト「弁当、ありがとな」
マオ「ふふ、喜んでくれて良かった」
二人が並んで廊下を歩く。
あ~、甘酸っぱくていいわね。
まさに、青春!
カイト「じゃあ、俺の教室はこっちだから……」
マオ「うん。また、放課後ね」
別れを告げ、マオちゃんとカイトは
それぞれの教室に向かう。
マオ「……」
マオちゃんが一枚のメモ用紙を取り出す。
あ、あれは……!
私が心の中で声をあげる。
あのメモ用紙は私が用意したもので、
恋するマオちゃんへのアドバイスが
書かれているのだった。
マオ「ありがとう、アリスさん」
マオちゃんが私にお礼を言った。
マオ「いつか……
あなたと直接お話がしたいな……」
マオちゃんが自身の願いを口に出した。
マオちゃんの言葉は私に伝わるけど……
アリス「私もマオちゃんとお話がしたいわ」
私が一瞬だけ体を取り戻す。
そして、すぐにマオちゃんに返した。
マオ「……」
マオちゃんは無言で貴族クラスの教室に向かう。
……私の言葉はマオちゃんに伝わらない。
それが少し……もどかしかった。




