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第10話 手作り弁当
俺が連れてこられたのは屋上だった。
マオ「こ、これ」
マオがなにかを手渡す。
カイト「これは……手作り弁当?」
マオ「うん。カイトに喜んで欲しくて……」
そこでようやく気付いた。
マオが朝、緊張していたのは
学校が不安だったからじゃなくて……
俺への弁当が原因だったことに。
カイト「ありがとう、すごく嬉しいよ」
マオに礼を言いつつ、弁当のフタをあける。
カイト「わー! すっごく、おいしそう!」
よし、早速食べよう!
……ん?
箸がない?
マオ「箸はここに……」
マオが箸を取り出した。
そして、その箸で弁当の玉子焼きを取って……
俺の口元に近づける。
マオ「あ、あーん……」
マオの手は震えていた。
彼女の緊張が伝わってくる。
……これは『あーん』しないわけにはいかないな。
カイト「あーん」
俺が口を大きく開けて、
マオが取ってくれた玉子焼きを食べる。
カイト「モグモグ……ごっくん」
俺が玉子焼きを食べ終わった。
マオ「ど、どうかな?」
マオが不安そうに聞いてくる。
カイト「最高! めっちゃ、うまい!」
マオ「……良かった」
俺の感想を聞いて、マオがほっと胸を
なでおろした。




