第9話 ミサキと失禁
「騎士団たるものね・・・ガミガミ」
団長の説教が続きます。
「いいかい。君たち・・・えっ」
団長が私を見て驚きます。
そして顔が青ざめます。
「・・・?」
なぜ私を見てそんな反応をしたのか分からず、私は首をかしげます。
「そ、それってもしかして・・・」
団長が私の足を指さします。
「あっ」
団長に言われて私は気づきました。
足に水滴がたれていることに。
どうやら、私はあの恐ろしい少女を見ておもらし・・・失禁してしまったようです。
(は、はずかしい)
私は顔を手でおおいかくします。
「ご、ごめんよ。まさか、私の説教がそんなに怖かったなんて・・・」
団長が私に謝ります。
どうやら、自分のせいだと勘違いしてしまっているようです。
(いえ、団長のせいではありません。安心してください)
心の中で私が団長に言いました。
はい、口には出していません。
もらしたことが恥ずかしすぎて声が出なかったのです。
「説教はここまでだ。みんなも帰っていいよ・・・」
団長の声に覇気はありませんでした。
肩をがっくりと落とし、トボトボした足どりで洞窟から出ていきます。
私を失禁させてしまったことがよっぽどショックだったようです。
実際は団長のせいではないのですが。
(ごめんなさい。団長)
私は心の中で謝りました。
声はまだ出てくれませんでした。
「たしかに、怒ったけど。怖がらせるつもりはなかったんだ。ただ、任務の重要性を知ってほしくて・・・」
団長の悲しいひとりごとが洞窟内にかすかにひびき渡りました。




