第12話 お姫様と王子様
翌朝。
私たちは王都の外にある草原に来ていた。
カイト「しっかり、つかまってろよ」
マオ「う、うん」
私が緊張しながらカイトの背中をつかむ。
カイト「行くぞ、ホース!」
ホース「ヒヒーン」
カイトさんの掛け声とともに
馬の……ホースちゃんが駆け出す。
マオ「わぁー、すごい!」
感動したのもつかの間、
ホースちゃんの背中の上で
私の体が揺れる。
マオ「キャッ」
カイト「おっ、と」
落ちそうになった私をカイトさんが支える。
カイト「危ないから、もっとしっかりつかまりな」
マオ「ご、ごめんなさい」
私がカイトさんの背中にしがみつく。
『むにゅ』
その際にアリスさんの大きな胸が潰れて
少し息苦しい。
……いや、この息苦しさはそれだけじゃなかった。
マオ「……あったかい」
私がカイトさんの背中に顔をうずめる。
『ぎゅっ』
自然と私のしがみつく力が増した。
今の私は、昨日レイさんが読んでくれた本の
お姫様と一緒だった。
マオ「私の王子様……」
私が小声でつぶやいた。
カイト「ん? 何か言ったか?」
マオ「ううん。何も。
……今日はありがとう。カイトさん」
カイト「『カイト』でいいよ」
マオ「うん……カイト」
ホース「ヒヒーン」
ホースちゃんが走る。
……お姫様と王子様を乗せて。




