第6話 魔王候補
団長は衛兵たちが遠ざかり見えなくなったのを確認してから騎士団の団員たちの方に向きなおった。
「ふー、なんとか誤魔化せたね」
私が団員たちに言った。
彼らには山賊にふんして彼女をさらってもらう手はずだった。
「まさか、失敗するとはね」
「す、すいません」
団員が謝った。
「騎士団が一般人をさらったとバレれば大問題だ。だから、今回の任務は顔の割れていない新入りである君たちに任せたんだ」
私が団員たちをにらむ。
「新入りとはいえ君たちの実力はおりがみつきだ。そんな君たちが一般人。ましてや、子どもに負けるなんてありえない。わざと逃がしたね?」
「い、いや、本当に相手が強くて・・・」
ガンッ。
「ひっ」
「言いわけは聞きたくないね」
私は剣で壁をたたいた。
「君たちの気持ちも分かる。一般人をさらうために騎士団に入ったわけじゃないもんね」
「は、はい」
団員たちがうなずく。
「でもね、君たちが逃がした彼女は魔王の転生候補なんだ。魔王が何かは分かっているよね」
「はい!世界を滅ぼす巨悪です!」
団員たちが答える。
「そのとおり。私たちは今、その魔王になる可能性のある人たちをさらって監禁している」
自分たちがすべきことを団員たちに説明する。
「全ては魔王が転生した瞬間に殺すためにね」




