59/94
第5話 見当外れの決意
『ツーツー』
私がカイトからの電話を切った。
「アリス・・・」
私が娘の名前を呟く。
今すぐにでも彼女に会いに行きたい。
「いや、駄目だ」
私が首を振る。
「カイトくんが言っていたじゃないか」
アリスは帰らない選択をしたと。
『アリスの言うことをきちんと聞いたらどうです?』
レイの言葉を思い出す。
「親として、しっかりアリスの言うことを聞いてあげねば」
私はアリスの無事を・・・記憶が戻ることを祈った。
・・・。
・・・。
「・・・私から会いに行く分には問題ないのでは?」
私がふと思った。
王都に残る選択をしたアリスも、私に会いたくないとは言ってないだろう。
「いや、やめよう」
これは言葉の揚げ足取りだ。
良くない。
「アリスを・・・そして、レイさんとカイトくんを信じて待とう」
私が心に決めた。




