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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第6章 少女たちの日常―前編―
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第16話 カイトとマオ②

 マオとの散歩の帰り道。


「まさか、早朝から手伝いをさせられるとは・・・」


 マオとの散歩中、道行く人たちにお願いをされてしまいあちこちを駆け回った。


「もしかして、俺って。便利屋かなんかだと思われているのか?」


 もう、ヘトヘトだった。


「マオも手伝ってくれてありがとうな」


 俺がマオにお礼を言った。


「マオー」


 マオが返事した。


「いやー、朝からご苦労様だね」


 家に帰ってきた俺たちをレイが出迎えた。


「朝から一人で人助けなんて。カイトは本当にヒーローだね」


 レイが嬉しそうに言う。


「一人ね・・・」


 俺がマオを見る。


「マオー・・・」


 マオが悲しそうな顔をする。


 レイの中でマオは存在しない。

 十年前のあの日・・・彼女自身の手で殺したことになっている。


「ごめんな、マオ。きっと、レイもいつか分かってくれるさ」


 俺がマオを慰める。


「・・・」


 その様子をレイが黙って見ている。

 彼女の目に俺とマオのやり取りはどう映っているのだろうか。


「そうだ、カイト。ママが僕らの故郷のことで話があるって」


 レイが話題を変えた。


「・・・古都の方か?」


 俺が聞いた。


「当然だろ。古都アルテンシラ・・・僕たちが生まれ育った町じゃないか」


 レイが言った。


「・・・そうだな」


 俺が頷いた。


「・・・」


 本当は違う。

 俺たちの故郷はあの街じゃない。

 今はもう無くなってしまったあの小さな村だ。


(けれど、彼女の中では・・・)


 ・・・。


「どうしたんだい?」


 レイが俺の顔を覗き込んだ。


「なんでもないよ」


 俺が言った。


「ローザさんが呼んでるんだろ?家に入ろう」


 俺が歩き出す。


「そうだね」


 レイが俺の後をついてくる。


(またな。マオ)


 俺が一瞬だけ振り返って、マオを見た。


「マオー」


 マオが鳴いた。


 俺の別れの挨拶は伝わったようだ。

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