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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第6章 少女たちの日常―前編―
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第12話 少女たちの門出

 ローザは教会のシスターで、親を失った俺とレイを引き取ってくれた人である。

 つまり、俺とレイの第二の母親だ。


「ママ―!」


 レイがローザに向かって駆け出していった。


「あらー、レイちゃん。大きくなったわね」

「えへへ」


 ローザが自身に抱きついてきたレイの頭をなでた。


「別れてから半日しか経ってないのに何が大きくなったんだよ・・・」


 俺が二人のやりとりに突っ込む。

 どうして、久しぶりの再会みたいな雰囲気を出しているんだ。


「何を言っているんだい、カイト。僕の胸は刻一刻と成長しているんだよ」

「胸の話だったのかよ!」


 てか、胸だったとしても、半日じゃ成長していないだろ!


「ママ―、カイトが僕の胸よりもママのペチャパイの方が好きだってー。酷いよー」


 レイがローザの平べったい胸に自身の顔をこすりつけながら適当なことを言った。


「あらあら」


 そんなレイにローザが困った顔をする。


「ローザさんが困ってるだろ」


 俺がレイをローザから引き剥がす。


「ああ、ママ―」


 レイが涙目になりながら言った。


「相変わらずね。レイちゃん。少し幻滅したわ」


 アリスがレイを冷めた目で見る。


「・・・!?」


 レイが我に返った。


「ふっ、少しはしゃぎ過ぎたようだ。反省。反省」


 レイが反省した。


「ほんと、お前。ローザさんと『あの人』相手だとキャラ変わるよな」

「えっ、もう一人いるの?」


 俺の言葉にアリスが驚いた。


「ああ、そうか。アリスは会ったことないか。騎士団の・・・」

「騎士団の団長のオルガさんだよ。僕の剣の師匠で・・・まあ、僕のパパと言っても過言ではないね」


 レイが俺の言葉を遮って早口で喋り出した。


「さすがに、過言だろ・・・」

「そうよね。レイちゃんの境遇なら親に飢えても仕方ないわよね・・・ごめんなさい。さっきは幻滅したなんて言って」


 今度はアリスが反省した。


「えっ。じゃあ、その胸を揉んでもいい?」

「何が『じゃあ』なんだよ!?」


 レイがとんでもないことを言った。


「ええ、いいわよ」

「いいのかよ!?」


 アリスが許可を出した。


「わーい!」


 レイがアリスの胸を揉もうとする。


「代わりにキスしてね」


 アリスが言った。

 どうやら、交換条件らしい。


「じゃあ、遠慮するよ」


 レイが手を引っ込めた。

 唇は渡せないらしい。


「ねえ、カイト」


 ローザが俺に声をかける。


「・・・」


 期待に満ちた眼差しで俺を見る。


「ええと、なんですか?ローザさん?」


 ムスッ。


 俺の言葉にローザが頬を膨らました。

 なんで?


「また、ママって呼んでくれなかった・・・」


 ローザが悲しそうな顔をした。


「だって母親って見た目じゃないでしょ・・・」


 ローザの見た目はとても幼く・・・それこそ十歳くらいにしか見えない。

 彼女をママと呼べば、周りから変なプレイをしていると思われてしまう。


 まあ、ひとえに恥ずかしくて呼べないのである。


「内心ではちゃんと母親だと思っているので・・・」

「ちゃんと言葉にしないと伝わらないんですよ」


 ローザが頬を膨らませたまま言う。

 だいぶ、ご立腹のようだ。


「・・・ママ」


 俺が折れた。


「ふふ」


 ローザが笑った。

 喜んでくれてるようだ。


(まあ、彼女が笑ってくれるならいいか)


 少し気恥ずかしさもあったが彼女の笑顔が見れたので良しとしよう。

 ・・・恥ずかしいから、もう呼ばないけど(今みたいに指摘されない限り)。


 ・・・。


「あれ?そういえば、ローザさんはなぜ王都に?」


 俺が今更ながら聞いた。


「もちろん。二人の門出を祝うためよ」


 ローザがカメラを取り出した。


「えっ、家を出る前も撮ったじゃないですか」


 俺が今朝のことを思い出しながら言った。


「王都に着いた後も撮らないと!」


 ローザが反論した。


「ほら、新しいお家の前に並んで!」


 ローザが急かす。


「・・・」


 親方が無言で家の前に仁王立ちしていた。


「すごいわ。あの人、家族写真に交じるつもりよ」


 アリスが驚愕していた。


「ていうか。まだ、いたんですね。親方」


 レイが親方を見ながら言った。


「空気を読んで黙っていた!」


 親方が元気よく言った。


「空気を読むなら写真に写ろうとしないでくださいよ・・・」


 俺が呆れながら言った。


「この家を建てたのは私だ!私には写る権利がある!」


 親方は譲らなかった。


「えっと、ごめんなさい。よけていただきたいのですが・・」


 ローザが少し遠慮しがちに言った。


「ガーン」


 親方がショックを受けた。

 なぜ、いけると思ったんだこの人は。


「ちくしょう。覚えてろよ!」


 謎の捨てゼリフを吐きながら親方は去って行った。


「なんだっだんだろう。あの人は」


 俺が寂しげな親方の背中を見ながら言った。


「なんだか、可哀そうだったから明日の手伝いの際に優しくしてあげなよ」


 レイが言った。

 どうやら、俺が手伝うことは既に確定してしまったらしい。

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