第5話 衛兵と騎士団
「よし、この洞窟だな」
俺はザック。
王都の詰所で働く衛兵だ。
今は山賊を捕まえるために王都を離れ洞窟に来ている。
「気をつけろ。もしかしたら、カイトの言っていた山賊が目を覚ましてるかもしれない」
俺の言葉に同僚の衛兵たちがうなずく。
慎重に洞窟を進むと、そこにいたのは・・・
「あれ?あなたは騎士団の団長さん?」
洞窟には先客がいた。
「やあ、君たちは詰所の・・・どうしたんだい?こんなところまできて」
団長が人懐っこい笑みを浮かべながら近づいてくる。
「俺たちは山賊を捕まえに来まして・・・」
「ああ、それだったらすでに私たちがとらえたよ」
団長が言う。
「あー、そうなんですね。助かりました。って、大丈夫ですか!?」
俺は洞窟の奥でケガをしている騎士団の団員たちを見て言った。
「山賊たちが思ったよりも手ごわくてね。でも、ほんのかすり傷さ。心配しないでくれ」
「それなら良かったです」
俺は団長の言葉を聞いて安心した。
「はは、君たちは先に王都に戻っていいよ。ここは私たち騎士団に任せた、任せた」
そう言って、団長が俺の背中を押す。
「わ、分かりました。みなさんも気を付けて帰ってきてくださいね」
俺が騎士団に言った。
「うん。また、王都でね」
団長が笑顔で俺たち衛兵を見送った。
こうして、俺たちは山賊を騎士団に任せてひとあし先に帰るのだった。




