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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第6章 少女たちの日常―前編―
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第8話 団長と少女

「レイは十年前に死んだはずでした」


 鬼が言う。


「レイを助けたのは私だ!」


 私が剣を振るおうとして・・・


「・・・!」


 体が動かない。


「嘘をついたな」


 鬼が冷たい目で私を見る。

 その目は怒りに満ちていた。


「騙そうとしたな!僕を!」


 鬼が怒声を浴びせる。


「あなたにレイを救えるものか!僕でも救えなかったというのに!」


 鬼が怒りに任せ、私の首を絞めた。


「嘘じゃない。私が森で倒れているレイともう一人・・・二人の子供を助けたんだ」


 首を絞めながらも私が懸命に当時のことを話した。


「!?」


 鬼が手を離した。


「がっ、はっ」


 私が呼吸を整える。


「申し訳ございません。僕の早とちりです。あなたはレイを助けました」


 鬼が私に謝った。


「分かってくれて良かったよ・・・」


 奥の手を使う前に死ぬところだった。

 まさか、体が動かなくなるとは・・・


「・・・願いをひとつ言ってください」


 鬼――悪魔が言う。


「命は上げないよ」


 私が反発する。


「対価は要りません。これは僕の過ちに対するけじめです」


 悪魔が申し訳なさそうに言った。

 本気で私を殺そうとしたことを後悔しているようだった。


「願いの前にひとつ聞いてもいいかい?」

「ええ、構いませんよ」


 私の言葉に悪魔が頷いた。


「君はレイを殺すのか?」

「殺すだけの大義名分が得られれば」


 悪魔が答えた。


「そうか。なら、私の願いは決まりだ」


 私が悪魔に言う。


「レイを殺すな」


 私が願いを言った。


「・・・どうして」

「えっ」


 悪魔が・・・泣いていた。


「どうしてですか・・・オルガさん」


 悪魔が私の名を呼んだ。

 そこでようやく私は・・・自身の勘違いに気付いた。

 

「僕なんですよ?彼と約束したのは・・・」


 悪魔――少女が悲痛に満ちた顔をした。


「それなのにどうして・・・今になってに奪われなきゃいけないんだ!」


 少女が叫んだ。


「・・・すみません。取り乱しました」


 少女が謝った。


「レイは殺さないので安心してください」


 少女が言う。


「願いは絶対です。僕は・・・悪魔ですから」


 少女が立ち去ろうとする


「待ってくれ!レ・・・」


 私が少女に手を伸ばす。


「・・・っ!」


 私の手が少女に触れることはなかった。

 少女は煙のように消えてしまった。


 ・・・。


 ・・・。


「何をしているんだ・・・僕は!」


 少女が自身を叱責した。


「僕がレイを殺す?そんなことあるわけないじゃないか!」


 怒りに任せ、こぶしで壁を殴った。

 手から血がにじみ出す。


「・・・」


 自身の小指を見た。

 赤い糸がリボン結びされている。


 それは死んだ両親との思い出の品・・・

 僕はこれをお守り代わりにしていた。


「ごめんなさい・・・悪い子で」


 僕は泣きながら今は亡き両親に謝った。


「僕は・・・いや、カイトは・・・」


 僕が幼馴染の少年の顔を思い浮かべる。


「レイを救うヒーローにならなくちゃいけないんだ」


 僕は王都にある魔法学校に向かって歩き出した。

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