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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第6章 少女たちの日常―前編―
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第3話 校長と心配事

 魔法学校の校長室。

 校長であるカシオペラは今年の新入生の名簿を見ていた。

 名簿には顔写真と名前。

 そしてプロフィールが書かれていた。


「今年の新入生も個性的ね」


 私が名簿を一ページ、一ページめくっていく。


「・・・」


 一人の生徒を見て、私の手が止まる。


『Unknown』


 その生徒の名簿には顔写真が貼られていなかった。

 生徒の名前は『レイ』。

 十年前に悲劇が起こった村の生き残り。

 いわくつきの生徒だ。


「お婆様!スクープです!」

「コケ―!」


 鶏を肩に乗せた女の子が校長室に入ってきた。

 彼女の名前はアン。

 私の孫娘だ。


「例の魔法剣士が入学初日からランドルフさんと決闘しました!」


 アンがカメラを構えながら嬉しそうに言う。


「アン。学校では校長と呼びなさい」


 私がアンを注意する。


「分かりましたわ。お婆様」


 アンは私の話を聞いていなかった。


「はー」


 私が頭を抱える。

 彼女はなかなかの問題児だった。


「へへ、決闘の様子をカメラに収めてきたんです」


 アンがポケットから写真を取り出す。


「こちらが現像した写真で・・・あれ?」


 アンが驚いた顔をする。


「今度はどうしたのですか」


 私がアンに聞いた。


「レイさんが映っていない?」


 アンが写真を持ち上げ凝視する。


「私の撮影ミス?いや、そんなはずは・・・」


 アンが頭を悩ませる。


「それは阻害魔法ですよ」


 私がアンに教える。


「なんと!誰かが私にスクープを取らせないように邪魔を!」


 アンが悔しそうにする。


 ・・・。

 そうではない。


「ええ、その通りです」


 私は嘘をついた。

 アンを巻き込まないために。


「・・・」


 アンがじっと私を見つめる。


「そういうことにしといてあげますよ」


 アンが言う。

 どうやら、私の嘘に気付いたらしい。


(この子は昔から察しが良すぎるわ)


 私が頭を抱える。


「普通に交流したり、記事にする分には?」


 アンが私に聞いた。


「交流する分には問題ないわ。記事はまずいかもしれないから止めなさい」


 私がアンに言う。


「分かりました。『三年のランドルフ先輩が謎の新入生に敗北!?』というタイトルにします。これくらい濁せば問題ないでしょう?」


 アンがそう言い残して部屋を出ていく。


「ふー、あの子はまた・・・ギリギリのラインをついて・・・」


 いつか、アンが何かしらの事件に巻き込まれるんじゃないかと気が気でなかった。

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