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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第1章 偽りの少女編
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第4話 レイと決闘

「ふはー、よく寝た・・・あれ?アリスがいない」


 僕が寝ている間にアリスが消えていた。


「カイトもまだ戻ってきてない。どうしよう」


 すぐにでもアリスを探しにいきたいが、馬車をおいていくこともできない。


「うーん。困ったな」


 ヒヒーン。


 馬が鳴いた。


「もしかして、君が馬車を見といてくれるのかい?」


 馬がうなずいた。


「ありがとう。アリスを連れて戻ってくるよ」


 僕は馬に別れを告げアリスを探しに行った。


「とはいったもののどこに行けばいいんだろう」


 僕は王都には一回しか来たことがない。

 そんな僕は現在、絶賛迷子中だ。


「もしかして、アリスも道に迷ったのかな・・・ん?」


 見覚えのある建物が目に入った。

 僕らが今日から通う魔法学校だ。


「ふっ、意図せず学校に来てしまうなんてこれが帰巣本能か・・・まだ、一回しか来たことないけど」


 そんな感じで校門の前にいると・・・

 一人の生徒が僕をじっと見つめていた。


「どうしたんだい?僕をじろじろ見て」

「俺の名前はランドルフ。お前は?」


 僕を見ていた生徒が名乗った。


「僕はレイ。今日からこの魔法学校に通う新入生さ」


 僕は自己紹介をした。


「新入生・・・お前が魔法剣士か?」


 ランドルフが聞いてきた。


「うん。僕だよ」


 僕が肯定する。


「そうだよな。女子なのに騎士クラスの制服を着てるもんな」


 ランドルフがうんうんとうなずく。


「入学初日で悪いが手合わせしてくれないか?興味があるんだ。魔法剣士とやらに」

「いいよ・・・と言いたいけど剣がないや」


 僕は手を両手をあげた。


「おい、ロイド。お前の剣をこいつに渡せ」


 ランドルフが近くにいた生徒に言った。


「嫌だよ。お前の剣を渡せよ」

「そしたら、俺の剣が無くなるだろ!」


 ランドルフがもっともなことを言った。


「そしたら、俺の剣をお前に渡すよ」

「二度手間じゃねーか」

「お前だけ使い慣れた自分の剣で戦うのはフェアじゃない」


 ロイドが言う。


「確かにそうだな。ロイド、お前の剣をよこせ」

「了解」


 ロイドが自身の剣をランドルフに渡した。


「お前は俺の剣を使え」

「ありがとう」


 僕はランドルフから剣を受け取った。


「それじゃあ、騎士らしく魔法なしの剣の勝負といこうか」


 僕が言った。


「いや、お前は魔法を使え。俺は魔法剣士と戦いたいんだ」


 ランドルフが言う。


「それはかまわないけど・・・君は使わないのかい?」


 僕が聞いた。


「俺は男だぞ。使えるわけないだろ」

「そういえば、そうだったね。忘れてた」


 この世界で魔法を使えるのは女性だけ。

 この世界の常識だ。


「おいおい。あの新入生やるつもりだぜ」

「例の魔法剣士だろ?一体どんな戦い方するんだ?」

「いやー、楽しみだね」


 いつの間にか、集まった生徒たちが僕らの周囲を囲っていた。


「魔法を使っていいと言ったが周囲の生徒は巻き込まないよう調節してくれ」

「ふふ、分かったよ」


 僕は彼の言葉に同意した。


「それじゃあ、いくよ」

「こい!」


 僕とランドルフが剣をかまえた。

 そしてそのままお互いに動かない。


「・・・どっちも動かないな」

「この勝負、先に動いた方が負ける!」

「マジか!」


 周りの生徒が勝手なことを言っている。


(なんだか、僕も心配になってきたな・・・)


 僕が先に動く・・・というより話しかけた。


「ねえ、勝負はもう始まってるんだよね?」

「ああ、いつでもかかってこい」


 その言葉に僕は胸をなでおろす。


「良かった。フライングしちゃったと思ったよ」

「なに?」


 僕の言葉にランドルフが困惑する。

 そして・・・


「キャー」


 女子生徒の悲鳴が響く。


「いったい何が・・・はっ」


 目の前のランドルフが気付く。

 自身の来ていた制服が地面に綺麗に折りたたまれていることに。

 下着もセットで!


「つまり、俺は今・・・裸か!」


 ランドルフが自分の置かれている状況を理解した。


(やったのはもちろん僕だ)


 目にも止まらぬ速さでランドルフの服を脱がし折りたたんだ。


「カイトから服をきれいにたたむ方法を教わっといて良かったよ」


 僕は当時のことをしみじみと思い出す。


「俺の完敗だ」


 全裸のランドルフが手を差し出してきた。


「僕だけの力じゃないよ。僕の友人・・・カイトあっての勝利だ」


 僕はランドルフの手を握りしめた。

 こうして決闘は僕らの熱い握手とともに終わった・・・


「俺を巻き込むな!あと、人の服をひんむいてんじゃねーよ!」


 カイトが勢いよく僕の頭をひっぱたいた。


「やあ、カイトを僕の決闘を見ていてくれたんだね。どうだった?僕の剣さばきは」

「早すぎて見えねーよ。あと、多分剣使ってないだろ。お前!」


 カイトのつっこみがさえわたる。


「って、そうじゃねー。先輩、ごめんなさい!うちのバカが先輩の服を・・・」


 カイトが謝る。


「カイトが謝ることじゃないよ」


 僕がカイトをかばった。


「じゃあ、当事者のお前が謝ってくれよ!マジ、どうすんだよ!こんなんされたら今後の学園生活は笑いもんだぞ!あの先輩!」


 カイトがランドルフを指をさしながら言う。


「あはははっ」


 ランドルフは笑っている。


「どうやら、気にしてないみたいだよ」

「なんなんだ、この先輩!?」


 カイトが全裸で笑うランドルフに戸惑う。


「このランドルフに恥ずべきところなどない!」


 ランドルフが腕を組みながら堂々と言った。


「せめて、前は隠してくれよ!」


 カイトが叫びながらお願いした。


「安心しなよ、カイト」


 僕がそんなカイトに言った。


「何をだよ?」


 なんのことか分からずカイトが困惑する。


「息子のでかさならカイトの圧勝だよ」

「なんで知ってんだよ」


 僕が言った事実にカイトが驚く。


「なぜって、カイトの初めてを奪ったのは・・・」

「奪われてねーよ!勝手なこと言うな!」


 カイトが怒った。


「はは、ジョークだよ。ジョーク」


 僕が笑う。


「男相手にもセクハラは成立すんだからな!」


 カイトが怒る。


「でも、僕は本気だよ。幼いころから何度も告白してるだろ?」

「されたことねーよ!」

「あはは」


 僕はカイトをからかって遊んだ。


「仲がいいことはいいことだ!」


 そんな僕らを見てランドルフが笑顔で言った。


「あんたは早く服を着てくれ・・・」


 カイトが頭を抱えた。


「こら、お前ら何をして・・・ってなんだお前は!」


 王都の見回りをしていた兵士がこっちに走ってくる。


「お前はなんで裸なんだ」

「はははっ」


 ランドルフが笑いながら兵士に捕まった。


「違うんです!決闘で起こった事故なんです!」


 カイトが誤解を解こうと兵士に話しかける。


「・・・」


 僕はそれを黙って見ていた。


「なに他人事みたいな顔してんだよ!お前もこい!」


 カイトが僕を呼んだ。


「やれやれ、しかたないな」


 僕は重い腰をあげて、カイトとランドルフの元へと向かった。

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