第3話 カイトと衛兵
「王都に着いたぞー」
カイトが寝ている僕に言った。
「そうか。僕はもう少し寝るから山賊の件よろしく頼むよ・・・グーグー」
僕はカイトに後を託して夢の中へと旅立った。
「はあー、分かったよ。アリス・・・馬車とレイのこと見といてくれ」
「分かったわ。行ってらっしゃい」
俺は二人に別れを告げると、衛兵のいる詰所に向かった。
「おう、カイトじゃないか。久しぶりだな。制服なんて着てどうしたんだ?」
詰所にたどり着くと、見知った衛兵が俺に話しかけてきた。
「いや、俺。今日からここの魔法学校に通うんで」
「へー、意外だな。あのまま便利屋でも開くと思っていたぞ」
「なんでだよ!俺は入学させてもうことを条件に王都中の雑用してたんだよ!」
「あはは、そういえばそうだったな。忘れてたよ」
衛兵が笑う。
「まあいいや。そんな世間話をしにきたんじゃない」
「おっ、さっそく手伝ってくれるのか。助かるよ」
「ちげーよ。あんたらに仕事を持ってきたんだよ」
「仕事?」
俺の言葉に衛兵が首をかしげた。
「ああ、さっき山賊に捕まっちまって・・・」
「山賊だって!?大丈夫なのか」
衛兵があわてて俺の両肩をつかんでゆさぶる。
「大丈夫だって。前に話しただろ?俺にはスゲー強い友人がいるって。そいつがやっつけてくれた」
「そ、そうか。無事なら良かった」
衛兵が胸をなでおろす。
「・・・で、その山賊は友人がいうには半日は目を覚まさないらしい」
「分かった。目を覚ます前に捕まえてこいってことだな」
「そゆこと」
俺は衛兵の言葉を肯定した。
「場所はとこだ?」
「場所は・・・」
俺は衛兵たちに山賊のいる場所を教えた。
「よし、あとはこちらに任せろ。お前は友人と学園生活を楽しんで来い」
「おう、ありがとな」
そういって俺は詰所から出ていく衛兵たちを見送った。
「さーて、馬車まで戻るかな・・・ん?」
何やら外が騒がしい。
制服を着た生徒たちが走っていく。
「うーん?始業のベルはまだ先のはずだけど・・・」
気になったので俺は生徒たちのあとを追いかけることにした。
すると、俺たちが通うことになる魔法学校の入口に生徒たちが集まっていた。
「なにがあったんだ?」
俺が周りの生徒に聞いた。
「なにやら、新入生がランドルフと決闘するらしいぞ」
「ランドルフ?」
「あー、お前も新入生か。ランドルフは騎士クラスの三年生だ」
「へー、入学初日から三年生にケンカを売るなんてやばいやつもいたもんすね」
俺は先輩の生徒から何が起こっているのか教えてもらった。
(レイ以外にもやばいやつがいるんだなー)
なんてのんきなことを考えてると・・・
「おいおい、あの新入生・・・女だぞ!」
「まじかよ!」
・・・。
(すげー、嫌な予感がする)
俺は嫌な妄想をした。
(いや、さすがのあいつも見ず知らずの三年生にケンカを売ったりしないはず・・・多分)
俺はケンカをふっかけた新入生を確認することにした。
「すみません。通してください」
俺は生徒たちの合間を通り抜けていく。
そしてその先にいたのは・・・
「やっぱり、お前かよ!」
堂々としたたたずまいで俺の友人――レイが決闘の場に立っていた。




