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第4話 さまよい続ける魔王
魂だけとなった魔王が王都をさまよっていました。
「えいっ」
キーン。
「いたた。またはじかれちゃった」
次はあの人。
キーン。
次は・・・
キーン。
「少し休もうかな」
私は誰もいない空の上をぷかぷかと浮く。
「もう、ずっとこのままで良いかも?」
なーんてことを思ったり。
「ううん。駄目だよね。ちゃんと、新しい体を手に入れないと」
私は地上の人間たちに目をやる。
「私は体を手に入れなきゃいけない」
その理由は分からない。
長い時間の中で忘れてしまった。
「でも、名前だけは憶えている」
正確には忘れても人間たちが思い出させてくれる。
「この前のゲームでさ・・・」
人間の声が聞こえてきた。
「魔王が強くてさ」
「だったら、勇者の剣を強化して・・・」
人間たちが私の名前を呼ぶ。
魔王――それが私の名前。
記憶も目的も忘れた私に人間がつけてくれた大切な名前。
「あー、早く体を手に入れて人間とお話したいな」
私は今日も自分が入れる体を探してさまようのでした。




