第1話 『勇者ベルクと魔王』
この物語は大魔導士ベルクシリーズの初のスピンオフ作品となります。
千年続いたシリーズの新境地となります。
本編とは異なり完全なフィクションです。
一作目がフィクションでしたのである意味、原点回帰かも?
タイトルは『勇者ベルクと魔王』です。
内容は娘たちがお友達と遊んだゲームを参考にしました。
それではお楽しみください。
勇者ベルクと魔王
著:イザベラ
悪い悪い魔王がいました。
「はは、姫は俺様がいただく」
魔王が言います。
「助けて!ベルク!」
魔王に囚われたお姫様が助けを求めます。
「そうはさせないぞ。覚悟しろ魔王!」
お姫様を救いにきた勇者ベルクが言います。
「ふん、性懲りもなくやってきたか!勇者ベルク!」
魔王がベルクを睨みました。
「お前が何度も姫様をさらうからだ!魔王サタン!」
ベルクが魔王に言い放ちました。
「くー、お前さえいなければ俺様は姫と結婚して魔界でランデブーしていたというのに」
魔王が悔しそうに言います。
「いくぞ!魔王!」
ベルクが剣を構えます。
「来い!勇者!返り討ちにしてやる!」
魔王が迎え撃ちます。
・・・。
「ぐわー、やられた!」
魔王が叫びます。
「約束通り姫様は返してもらうぞ」
ベルクが剣を魔王に突き付けながら言います。
「ちくしょう!」
魔王が悔しがりながらお姫様を解放しました。
「ベルク!」
「姫様!」
ベルクと姫が熱い抱擁を交わしました。
「ぐぬぬ、おのれ勇者ベルク!」
魔王がハンカチを噛みながら悔しがります。
「お前さえいなければ魔界に帰れたいうのに!」
魔王の負け惜しみが止まりません。
「ひとりで帰ればいいだろ」
ベルクがばっさりと言います。
「それができたら苦労はせん!」
魔王が言います。
「俺様が魔界に帰るには姫の持つ神秘の力が必要なのだ」
魔王が事情を説明します。
「お前は自分が帰るために姫様と結婚しようとしていたのか?勝手な奴だな」
ベルクが呆れます。
「うるさい、うるさい!魔界に帰れなくなった俺様の気持ちがお前に分かるものか!」
魔王は寂しかったのです。
だから、魔界に帰りたい一心でお姫様をさらったのでした。
「えっと、結婚はできませんが魔界とのゲートを開くことはできます」
お姫様が魔王に言います。
「い、いいのか?結婚してないのに?」
魔王が驚きながら言います。
「ええ、大丈夫です。むしろ、結婚する方が困ります」
お姫様が言いました。
・・・。
「これがゲート・・・」
魔王がお姫様が出した魔界のゲートの前に立ちます。
「もう、こっちの世界に迷い込むなよ」
ベルクが言います。
「ふふ、魔界に戻っても悪さはしないようにお願いしますね」
お姫様が優しく言いました。
「ふん、魔界に戻れたらもう悪さをする必要もないさ!じゃあな!」
魔王がベルクとお姫様にお別れを言いました。
そして魔王がゲートに飛び込もうとして・・・
「・・・」
魔王が立ち止まりました。
「どうした?早く帰れよ」
ベルクが冷たく言います。
「ぐぬぬ」
魔王が頭を悩ませます。
「やっぱり、駄目だ!帰れん!」
魔王が魔界に帰るのをやめました。
「はっ!?なんでだよ」
ベルクが怒ります。
「えーい、うるさい。魔界に帰ったら、姫に会えなくなるではないか!そんなのは嫌じゃ!」
魔王が駄々をこねます。
「魔界に帰るときは姫も一緒だ!今、決めた!」
魔王が自身の決意を告げます。
「ふざけんな!ひとりで帰れ!」
ベルクがしっしっと手を払います。
「嫌じゃ!絶対帰らん!」
魔王の決意は固く、ベルクの言うことを聞きません。
「次は必ず姫を俺様のものにしてやる。さらばだ!」
魔王が大きな羽を広げ飛び去っていきました。
「まじかよ・・・アイツ」
ベルクはただただ驚愕・・・いえ、むしろ呆れていました。
「ふふ、また助けに来てくださいね。ベルク」
お姫様がベルクの腕に抱きつきながら言いました。
「姫様・・・楽しんでませんか?」
ベルクがお姫様に聞きます。
「さあ、どうでしょう?」
お姫様はとぼけました。
「でも、もしかしたら・・・魔王が本当に好きなのは・・・」
お姫様がベルクを見ました。
「ベルクの方かもしれませんよ?」
お姫様が笑いながら言います。
「恐ろしいこと言わないでくださいよ!鳥肌がたったじゃないですか!」
ベルクが心底嫌そうな顔をしました。
勇者ベルクと魔王サタン。
二人の悪友のお姫様を巡る戦いはこれからも続いていきます。
はい。
これにて『勇者ベルクと魔王』のお話はおしまいです。
楽しんでいただけたでしょうか?
えっ?
お姫様がどちらと結ばれたか・・・ですか?
それは秘密です。
皆様のご想像にお任せします。
そうですね。
このお話を書こうとしたきっかけをお教えしようと思います。
前書きにてゲームを参考にしたと書いたと思うですけど・・・
それは勇者が魔王を倒すお話だったんです。
当然、魔王は最後死んでしまいました。
それで、魔王が可哀そうだと思ってこのお話を書いちゃいました。
もちろん、そのゲームを否定するつもりがあるわけじゃないんです。
ただ、見たかったんです。
魔王が勇者と笑いあうそんな物語が。
私には二人の娘がいます。
その内のひとり・・・ヒーローに憧れた彼女がこの本を読んだら・・・
きっと、文句を言うのでしょう。
『悪は死ぬべきだ』
・・・って。
そして、もう一人の娘は・・・喜んでくれると思います。
彼女はみんなが救われるハッピーエンドが大好きだから。
私は願います。
私の大好きな娘たちの未来が幸せに満ちていることを。
最高のハッピーエンドが待っていることを。
あとがきが長くなってしまいましたが。
これにて『勇者ベルクと魔王』はおしまいです。
読んでくださり、ありがとうございました。
・・・実は、次回作の構想ももうあるんです。
次回作は『陰陽師ベルクと鬼の少女』。
私の大好きな娘たちをモデルにしたお話です。
それでは次回作でまた会いましょう。
みんな、またね!




