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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第2章 壊れた少女編―前編―
19/94

第6話 再会の約束

「そうだ、カイト。手を出してください」

「うん?・・・こう?」


 俺はお兄さんに言われるがまま手を出した。


「・・・」


 お兄さんが俺の手を握りしめた。


「はい、もういいですよ」


 お兄さんが俺の手を離した。


「・・・?」


 何の意図があったのか分からず俺が首をかしげる。


「手をかざして火を思い浮かべてください」


 お兄さんが俺に言った。


(火を思い浮かべる・・・)


 お兄さんに言われたとおりに火を思い浮かべながら手をかざす。

 すると・・・


『ボウッ』


 俺の手から小さな炎が出た。


「えっ!?」


 俺が驚きの声をあげた。


「もしかして、これって・・・」

「はい、魔法です」


 俺の問いにお兄さんが答えた。


「ど、どうして・・・」

「カイトが魔法を使いたがっていたので、魔力を譲渡する方法をこの一か月探していました」


 お兄さんが言う。


「そして・・・その方法を見つけました!」

「お、お兄さん!」


 俺が感激の声をあげる。

 どうやら俺は念願の魔法使いになってしまったようだ。


「よし、もう一度・・・ファイアー!」


 ・・・。


「あれ?」


 何もでなかった。


「与えた魔力が切れたみたいですね」

「永続じゃないの!?」


 俺の魔法使い化は一時的なものだったらしい。


「ふふ、また魔力をあげますよ」


 お兄さんが俺の手を握る。


「うう、ずっと使えるようにはならないの?」

「それは無理ですね」

「そっかー」


 俺ががっくりとうなだれる。


「ふふ、私が滞在している間だけですが、ぜひ魔法を楽しんでください」

「滞在している間?」

「はい、あと一週間したら旅立とうと思っています」

「えー!?」


 お兄さんの言葉に俺が驚く。


「そんな早すぎるよ!」

「いえ、むしろ遅すぎたくらいです」


 お兄さんが言う。


「どうしても、カイトに魔法を使わせてあげたくて。試行錯誤していたら一か月も経ってしまいました」

「そっか。俺のために・・・」


 どうやら、俺がお兄さんをこの村に縛り付けてしまっていたみたいだ。


(でも、俺は・・・)


 お兄さんともっと一緒にいたかった。


(いや、それだけじゃない。お兄さんと一緒に・・・)


 俺が決意を固める。


「ねえ、お兄さん・・・その旅、俺も連れて行って!」

「駄目です」

「即答!」


 俺の決意は速攻で砕け散った。


「どうして、駄目なのさ」

「カイトはまだ子供ですから。もっと大きくなってからじゃないと駄目です」

「それって・・・十六歳になったらってこと?」


 俺がお兄さんに聞いた。


「えっ?いえ、十六歳もまだ子供です。二十歳を超えてから・・・」

「お兄さんは十六歳で旅に出ているじゃないか!」


 俺が反論した。


「そ、それは肉体年齢で実年齢は・・・」

「にくたいねんれい?」


 俺が聞きなれない言葉に疑問を浮かべた。


「い、いえ。なんでもありません」


 お兄さんが慌てて話を打ち切る。


「そうですね。カイトの言う通りですね」

「言う通りというのは?」


 俺が聞いた。


「カイトが十六歳になったら私はもう一度この村に来ます。そしたら、二人で旅に出ましょう」

「やったー!!」


 俺がお兄さんの言葉に喜ぶ。


「カイトは今、五歳でしたよね。十一年後に迎えに来ますね」

「あっ、俺。明後日、誕生日だよ」

「そうだったんですね。じゃあ、盛大に祝わないとですね」

「わーい、楽しみ」

「ふふ」

「あはは」


 俺とお兄さんが俺の誕生日の話で盛り上がる。


「・・・っと、話がそれましたね。では、十年後の明後日。十六歳の誕生日にカイトを迎えにきますね」

「うん。約束だよ」

「はい、約束です」


 俺とお兄さんはお互いの小指を絡ませ指切りげんまんをした。


 ・・・。


 この約束が守られることはなかった。

 なぜなら、お兄さんは今日・・・死んでしまうからだ。

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