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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第15章 ヒーロー編―後編―
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第6話 カイトの願い

 学校の屋上。


マオ「スゥー、スゥー」


 ――なでなで。


 俺は眠っているマオの頭をなでた。

 彼女は俺の太ももを枕にして眠っていた。


カイト「本物の正義か……」


 子供みたいに眠っているマオを見て、俺は幼い頃に見たアニメを思い出していた。

 結局、ニャン太が見つけた本物の正義は、なんだったんだっけ?

 よりによって、一番重要なところを忘れてしまっていた。


アリス「正義の敵は、別の正義……ガオワンダーの言葉よ」


 目を覚ましたマオ……いや、アリスが言った。

 ちなみに、ガオワンダーはアリスの好きなアニメの主人公の名前だ。


カイト「おはよう、アリス」


アリス「ええ、おはよう。カイト」


 起き上がったアリスが姿勢を正しながら言った。


アリス「正義について考えてたの?」


 アリスが俺に聞いた。


カイト「どちらかというと、ヒーローについて考えてた」


 俺が答える。


アリス「レイちゃんがヒーロー。私が悪よ」


カイト「お前らしい答えだな」


 その答えを聞いて思わず笑ってしまう。

 アリスは本当に昔から変わらない。


アリス「ちなみに、カイトは姫よ。私に攫われる準備をしといてよね」


 アリスが無茶を言う。


カイト「出来れば他の役がいいんだけどな。……そうだ。姫役はマオに譲るのはどうだ?」


 俺が提案した。


アリス「駄目よ。私の体は一つしかないもの」


 俺の提案はバッサリ切り捨てられた。


カイト「じゃあ、マオの体を新しく用意しないとな」


 俺が前々から思っていたことを口にした。


アリス「そうね……。そしたら、私もマオちゃんと会話できるものね」


 アリスが俺の言葉に同意する。


アリス「そろそろマオちゃんが目を覚ますわ。あとはよろしくね、カイト」


カイト「ああ、任せろ」


 俺の返事を聞いたアリスは、安心したように目を閉じた。


 ――パチリ。


 マオが目を開ける。


マオ「おはよう、カイト」


 目を覚ましたマオが言う。


カイト「おはよう、マオ。そろそろ午後の授業が始まる時間だ。行こうぜ」


 立ち上がる。

 そして、マオに手を差し出した。


マオ「うん……」


 マオが俺の手をとって立ち上がる。


マオ「ふふっ」


 マオが笑った。


カイト「どうしたんだ?」


 急に笑ったマオを見て俺が不思議がる。


マオ「私……今すごく幸せだな~って」


 マオが俺の腕に抱きついた。


マオ「この幸せな日々がずっと続けばいいのにって」


 マオの手が震えていた。

 彼女は恐れているのだこの幸せな日常が終わることを。


カイト「……続くさ。マオが望む限り永遠に」


 俺が根拠のないことを言う。

 でも、心からの言葉だった。


マオ「ありがとう。カイトもずっと隣にいてね」


 マオがお願いをした。


カイト「ああ、もちろんだ」


 俺がその願いを承諾する。


カイト「俺は……」


 そのとき俺の脳裏に、レイとアリスの姿が浮かんだ。


カイト「……俺たちはずっとマオと一緒だ」


 俺も願った。

 この四人で過ごす何気ない日常が永遠に続くことを――。

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