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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第2章 壊れた少女編―前編―
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第4話 カイトと旅人のお兄さん

「コーヒーできたよ。お兄さん」

「ありがとうございます、カイト・・・熱っ」


 旅人のお兄さんが俺のいれたコーヒーを飲んで熱がった。


「あれ?お兄さん、猫舌だっけ?」

「いえ、一度に口に入れ過ぎました。ふーふー」


 旅人のお兄さんがコーヒーを冷ましながら少しずつ口に入れる。


「うーん、美味しい。カイトの入れるコーヒーは格別ですね」

「いやー、そんなに褒めたってコーヒーしかでないよ」


 旅人のお兄さんの言葉に気を良くした俺が二杯目のコーヒーの準備に入る。


「ふふ」


 お兄さんが笑った。


「どうしたの?」

「いえ、コーヒーを入れるのも板についたと思って」


 お兄さんが過去を思い出しながら言った。


「最初に入れてくれたコーヒーは水の中にコーヒー豆が浮いてましたからね」

「うっ、コーヒーなんて初めて見たんだから仕方ないだろ・・・あと、お兄さんはそれを美味しそうに飲んでたじゃないか」

「目が見えないのでコーヒーだと思わなかったんですよね。てっきり、タピオカの一種かと思っちゃいました」


 お兄さんが舌を出して笑う。


「タピオカ?」

「はい、甘いジュースの中に弾力のあるゴム?みたいなのが入っているんです」

「ゴム?・・・なんか、美味しくなさそう」

「いや、美味しいですよ?私の食レポが絶望的なだけで」


 お兄さんがタピオカを庇う。


「ふーん。そのタピオカは例のあの穴の中にないの?」

「うーん、どうでしょう。探してみますか」


 パチンッ。


 お兄さんが指を鳴らした。

 すると、何もなかった空間に黒い穴があいた。


「どこかなー?」


 お兄さんが穴の中に手を突っ込んだ。

 それは収納魔法。

 お兄さんが旅先で手に入れたものが乱雑に放り込まれていた。


「もう少し整理した方がいいんじゃない?」

「目が見えないから分別するの大変なんですよね」

「じゃあ、せめていらないのは捨てるとか」

「それはもったいないじゃないですか。せっけく、旅先でもらったものですし・・・」


 お兄さんが穴から手をだす。

 タピオカは見つからなかったらしい。


「どれも思い出の品ですからとっておきたいんですよね」


 お兄さんが言う。


「ものを取り出すとき不便じゃない?」

「探している時間も楽しいものですよ。旅と一緒です」


 お兄さんが笑った。


 パチンッ。


 お兄さんが指を鳴らすと黒い穴が消えた。

 お兄さんは世にも珍しい・・・なんてものじゃない。


 歴史上二人目となる男の魔法使いだった。

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