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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第15章 ヒーロー編―後編―
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第1話 見守る者

 学校のお昼休み。

 私とカイトは屋上でお弁当を食べていた。


マオ「カイト、あ~ん」


 お弁当のご飯を箸で掴んでカイトの口元に運ぶ。


カイト「あ~ん、もぐもぐ……」


 カイトが私のご飯を頬張る。


マオ「どう……? 美味しい?」


 私が不安になりがら聞いた。


カイト「最高にうまい!」


 カイトが満面の笑みで言った。


マオ「ふふ、良かった」


 カイトの笑顔を見て、私は心の底から安堵した。



   *



アン「じ~~」


 ラブラブの二人を屋上の入口……少し開いた扉の隙間から覗いている謎の影があった。

 それは何を隠そう……この私――アンです!


アン「見ているこっちがむずがゆくなってきますね」


コケ「コケ~(そうだな~)」


 私の言葉にコケちゃんが同意した。


カイト「~~~~~~」


マオ「~~~~~~」


 監視対象のアリスさんと、そのご友人のカイトくんが何かを話している。


アン「この距離では何を話しているかまでは分かりませんね」


コケ「コケ~(近づくか?)」


アン「いえ、屋上には遮蔽物になるものがありませんから近づくのは無理ですね」


コケ「コケ~(そっかー……)」


 コケちゃんがしょげる。


アン「まあ、私たちの目的はアリスさんに魔王が転生しているかの調査です。会話の中身まで知る必要はないでしょう」


 古都アルテンシラの大貴族のご令嬢――『アリス』は魔王の転生候補である。

 それが協力関係を結んだライトさんから教えてもらった本当の監視理由だった。


アン「世界を滅ぼすと呼ばれる魔王はフィクションの存在ではなく――本当に実在していた」


 私がじっとアリスさんを見つめる。


マオ「~~~~~~」


 どんなお話をしているかは分からない。

 けれど、その顔はこれ以上ないくらいに笑顔だった。


アン「魔王ならあんなに楽しそうに人間とお話するはずがない。だから、あそこにいるアリスさんは魔王ではない」


 魔王の名前は数千年前の書物にも記載があったという。

 魔王が本当に実在していたというなら、魔王はどれだけの間、転生先となる体を探したのだろうか。

 仮に転生先となる肉体が見つかっても……


アン「魔王は勇者によって殺される」


 そうやって、魔王の復活……転生は阻止されてきた。


アン「アリス……いえ、『マオ』さん。あなたは悠久とも思える時間――ずっと、ひとりぼっちだったのですか?」


 そう、今カイトくんとお話している彼女はアリスさんではなく、マオという名前のアリスさんの体を借りている別の誰かだった。


アン「あなたの存在に気付くのに時間はかかりませんでしたよ」


 最初の疑問はカイトくんがアリスさんをマオと呼んでいたこと。

 あだ名にしては名前との関連性がない。


アン「疑問に思った私は貴族クラスの生徒にで聞き込みをしました。そしたら、あなたのことを教えてくれました」


 マオさんは入学式の日に、アリスさんに宿った『誰か』――だと。

 単なる別人格なのか、完全な別人なのか。

 それはアリスさん本人にも分からない。

 でも、アリスさんは願っている。

 マオさんの幸せを。

 ずっと、寂しい思いをしてきたマオさんがもう寂しがらないようにと……


アン「アリスさんはマオさんのことを貴族クラスの生徒と先生にお話しした。マオさんが『アリス』としてではなく、『マオ』として学校に通えるように」


レイ「いや~、よく調べているね。僕から伝えられることは何もないや。さすが、新聞部の自称エースは違うね」


 ずっと、私のお話を聞いていたレイさんが感心しながら言った。


アン「凄いと思っているなら『自称』を外してくださいよ」


 私がぷすっと頬膨らませながら言った。


レイ「おや、これは失礼。自称をつけた方が可愛いと思ってさ。新聞部のエースさん」


 レイさんがお辞儀をしながら言った。

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