第1話 尾行
ライト「時間か……」
午前七時。
監視対象である彼女が学校に向かう時間だ。
ライト「うん、準備オッケー。行くとしようか」
僕は身支度を整えると、彼女が住んでいる家へと向かった。
……。
…………。
午前七時半。
アリス「さあ、今日も元気よく学校に通って行くわよ~」
カイト「あまり大きな声を出さないでくれ……。昨日は夜遅くまで町の人たちの手伝いをしてたから寝不足なんだ」
レイ「はは、精が出るね」
家から監視対象である少女を含んだ三人の子供たちが出てきた。
ライト「……」
子供たちは歩きながら談笑している。
僕はその様子を遠くから監視していた。
マオ「カイト……大丈夫?」
カイト「ああ、大丈夫だ。心配かけて悪いな」
子供たちがゆっくりと学校に向かう。
残念ながらこの距離では彼らの会話の内容までは分からない。
ライト「まあ、本当にあの子に魔王が転生したのなら、楽しく談笑なんてできないだろう」
僕が腰につけた剣に手を当てる。
もし、魔王が転生し、そばにいる子供たちを傷つけるようなら……
ライト「……少し近づくか」
さすがに距離が遠すぎる。
この距離ではもしものとき子供たちを守ることができない。
『パシャリッ』
ライト「えっ」
カメラのシャッター音がして、驚いた僕が振り返る。
アン「子供をつけ狙う不審者発見です!」
コケ「コケー!(衛兵に報告だー!)」
そこには鶏を肩に乗せ……カメラを構えた――女の子がいた。




