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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第13章 数千年続いた物語を終わらせるために
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第6話 悪魔たちのお祭り

悪魔A「やっほー! 祭りだー!」


悪魔B「飲めや、食えやー!」


悪魔C・D「わー、わー」


ここは魔界。

悪魔が住む世界だ。


黒豚「なんだか、今日はやけに騒がしいな?」


どんちゃん騒ぎをしている同胞たちを見て俺が呟いた。


白狐「なんだ、お前。聞いてないのか?」


黒豚「聞いてないって何が?」


白狐「何って、魔王様だよ。魔王様」


魔王。

その名の通り魔界の王様だった悪魔だ。


黒豚「ああ、そういえば転生の時期だっけ? でも、毎回人間に阻止されてるっていう……」


白狐「それが、今回はガチで復活するっぽい。なんでも、あのバアル様がわざわざ下級悪魔のふりをして人間界に行ったって話だ」


黒豚「マジかよ。あのバアル様が?」


バアル様はこの魔界で一番偉くて凄いお方だ。


白狐「あのバアル様が力を貸すんだ。魔王様の復活は確定したようなもんだよ」


黒豚「それはめでたい。みんながどんちゃん騒ぎするはずだ」


魔王様の復活は俺たち悪魔にとっての悲願だった。


黒豚「あの玉座もついに使われるときがきたのか~」


魔王様が姿を消してから誰にも座られることなく寂しげにポツンと置かれた玉座。

その玉座が再び本来の役目を果たすときがこようとしてる。


白狐「その玉座なんだけど、もう人間界に運ばれたらしいぞ」


黒豚「えっ、なんで?」


白狐「そりゃあ、魔王様は人間の体を借りて復活する――つまり、魔王様の復活は人間界で行われる。その際に玉座がないとしまらないだろ?」


黒豚「なるほど。そりゃそうだ」


俺が白狐の言葉に納得する。


黒豚「でも、そうなると。魔王様の復活する瞬間をこの目で拝めないよな?」


悪魔は人間に呼び出されないと、人間界に行くことはできない。


白狐「ちょうど、そのタイミングで人間に呼び出されることを願おうぜ」


黒豚「どんな確率だよ。それ」


白狐「もしくは、ずっとバアル様の体に引っ付いとくとか! バアル様は絶対に魔王様を迎えに行くだろうからさ」


黒豚「悪魔全員が引っ付いたらさすがのバアル様も迷惑するだろうよ」


俺と白狐が馬鹿な話をする。

どうやら、俺たちは魔王様の復活の瞬間を拝むことは出来なさそうだ。


白狐「じゃあ、せめて魔王様が魔界に帰ってきたときのために色々準備しておこうぜ」


黒豚「まあ、それが一番現実的なラインだな」


でも、魔王様か~。どんな悪魔なんだろう?

俺が生まれたときにはもう魔界には居なかったからな~。

バアル様みたいな感じなのかな?


黒豚「……ん? バアル様?」


白狐「どうかしたのか?」


黒豚「いや、大したことじゃないんだけど……」


俺が口ごもる。


白狐「なんだよ~。気になるから言えよー」


白狐が続きを催促する。


黒豚「いや、その……バアル様と魔王様ってどちらが偉いんだ?」


俺がふと思った疑問を口にする。


白狐「そりゃあ、もちろん……」


白狐「……」


白狐が言葉に詰まった。

そこから少しの間、頭を悩ませて……


白狐「……魔王様じゃないか? なんたって、悪魔の王だし」


黒豚「そうだよな。王様だもんな」


白狐「……」


黒豚「……」


俺と白狐が顔を見合わせる。


白狐「バアル様より偉い悪魔って、どんだけ凄いんだ?」


黒豚「分かない。つーか、想像もつかない」


俺たちはバアル様のご尊顔を思い浮かべた。


白狐「バアル様って可愛い顔しているよな」


黒豚「ああ、あのご尊顔を思い浮かべるだけで明日も頑張れる気がする」


バアル様は可愛らしい人間の少女の姿をした悪魔だった。

正直、見た目だけでは凄い悪魔だと分からない。

もし、人間界で出会ったら悪魔だということにすら気づけないだろう。


白狐「なあ、バアル様って上級悪魔なんだよな?」


白狐が馬鹿な質問をしてきた。


黒豚「当然だろ。バアル様が下級悪魔だったら全ての悪魔が下級になっちゃうだろ」


白狐「じゃあ、なんでバアル様は人間の姿をしているんだ?」


黒豚「それは……なんでだろう?」


下級悪魔は人間界に存在する生物の姿をしている。

現に俺は黒い子豚の姿。

目の前の白狐は白い子狐の姿をしている。

見るからに下級――弱そうな見た目をしているし、実際に弱い。


それに対して上級悪魔は神話や伝承で語り継がれる架空の生物の姿をしている。

たとえば、山羊の頭を持つ完全な人外であるバフォメット様。

一見すると人間そっくりだけど、背中の羽のおかげでなんとか悪魔だと分かるサキュバス様。

……など、常識では考えられないような姿をしていらっしゃる。


それに対してバアル様は完全に人間の姿……

当然、人間は人間界に存在する生物。

本来なら下級悪魔のはずだが……


老悪魔「なんじゃ、お主らそんなこともしらんのか」


年老いた悪魔が話しかけてきた。


白狐「あっ、爺さん。外に出て来て大丈夫なのか? 体悪いんだろ?」


老悪魔「魔王様が復活なさるんじゃ。家でじっとなんかしてられるか」


爺さんが元気よく答えた。

今日は体調が良さそうに見えた。


黒豚「ああ、そうだ。ちょうど、見た目の話をしてたんだ。魔王様ってどんな姿をしてるんだ?」


老悪魔「ワシも知らん。魔王様が魔界におったのはワシが生まれるよりずっと前の話だ」


白狐「まじかよ……。どんだけ昔の話なんだよ……」


黒豚「ここまでくると、魔王様自身が神話の存在に感じられるな……」


爺さんの言葉に白狐と俺が戦慄する。


老悪魔「まあ、魔王様の話は一旦置いといてバアル様の話じゃ。バアル様のあのお姿は……(グギッ)」


何か嫌な音がした。


老悪魔「こ、腰が……」


爺さんがその場に倒れこんだ。


白狐「言わんこっちゃない!」


黒豚「誰かー! 来てくれー!」


俺たちは大慌てで近くの悪魔たちに助けを求めた。

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