表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第13章 数千年続いた物語を終わらせるために
150/153

第1話 私の正体

王都の地下水道。

この地下水道は隠し通路が多数あり迷路のようになっている。


チェシャ「……」


私は幾重にも別れた通路を通り古都――の地下までやってきた。

実は王都と古都は地下水道を通ってつながっているのだ。


このことを知っているのは『私たち』だけだろう。

もちろん、レイちゃんにも内緒にしている。


『先生』はレイちゃんに会うのを嫌がっているから。


?「やあ、久しぶりだね。『人形ちゃん』」


古都の地下。

その隠し部屋に辿り着いた私を出迎えたのは先生ではなく、兄弟子である『彼』だった。


チェシャ「人形ちゃん……じゃないわ」


私が彼の言葉を否定する。


?「……ん? でも、君はあの名前を名乗るのを嫌がってなかったかい?」


彼が不思議そうに言った。


チェシャ「新しい名前ができたの」


?「へー……。ぜひ、教えてくれよ」


彼が興味津々な顔をする。


チェシャ「……チェシャよ」


私が新しい名前を名乗った。


?「なるほど――いつも、笑顔の君によく合っている名前だ」


チェシャ「別に……これ以外の表情が無いだけよ」


表情を変えることは出来ない。

だって、私は『人形』だもの。


?「その名前は『彼女』が?」


彼が聞いた。


チェシャ「いえ、自分で名乗ったの」


?「自分で……?」


彼が首を傾げた。


チェシャ「知り合った女の子に名前を聞かれて、咄嗟に名乗ったの」


私が事情を説明する。


チェシャ「一度、名乗ったからには、名乗り続けなきゃと思って……」


?「名前があることは良いことだ」


彼が私の考えを肯定する。


?「俺は過去に『名前』を失い、名乗れなくなったことがあるからね」


彼は遠い目をしながら自身の過去を思い出していた。


チェシャ「……悲しかった?」


私が彼に聞いた。


?「いや……失う代わりに手に入ったものもある。悲しくは無かったよ」


やせ我慢……ではないのだろう。

彼はそういう奴だった。


チェシャ「ところで、先生は? 悪魔について聞きたいことがあるのだけれど……」


私が本題に入る。


?「今は執筆中だ。当分は部屋から出てこない」


チェシャ「そう……。それは困ったわね」


これでは『レイちゃん』の

お願いに答えることができない。


?「俺が代わりに答えてやろうか? 分かる範囲という条件付きではあるが……」


チェシャ「いいの? 珍しく気前がいいわね」


いつもは研究にかかりきりで、私の相手なんてしないのに……


?「可愛い妹弟子のためだ。なんでも聞いてくれ」


チェシャ「ありがとう――じゃあ、レイちゃんにつなぐわね」


私が通信の準備をする。

私の目はカメラになっていて、見聞きした内容をレイちゃんに伝えられるようになっている。


?「なんだ。君の質問じゃなかったのか」


彼ががっかりする。


チェシャ「同じことよ。だって、私はレイちゃんが生み出した『空想』だもの」


空想上の友達(イマジナリーフレンド)――それが私の正体だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ