第10話 凱旋
?「う~ん。やっぱり、ナっちんには
魔法少女の格好がよく似合うね☆」
ナツメ「メル! やっぱり、あなたの
仕業か! 早く戻しなさーい!」
メル「あはは~☆」
メルと呼ばれた生徒が笑いながら
逃げる。
ナツメ「待ちなさーい!」
そんなメルをナツメ先生が
追いかける。
白馬「……なるほど。見た目から入る
のもありだな」
悪魔がボソッと呟いた。
マオ「キャッ!」
マオが悲鳴をあげた。
カイト「どうした!? 何かあった
のか!?」
俺が慌てて後ろを振り返った。
マオ「ま、周りの景色が……」
マオが驚いた顔をしている。
カイト「周りの景色?」
マオの言葉を受け、俺も辺りを
見回して見るが……
カイト「特に……おかしな点はないけど?」
俺が首を傾げた。
白馬「ふむ、効き目が悪いな……」
悪魔が意味深なことを呟く。
白馬「少し出力を強めるか」
出力を強める?
一体、何のことを……
カイト「……えっ」
俺が驚く。
学校があったはずの場所に……
お城が出来ていた。
カイト「どうなってんだ、これ!?」
目の前の現象を理解することが
出来なかった。
俺は夢でも見ているのだろうか?
マオ「カイト……」
マオが不安そうに俺の顔を覗く。
いつの間に着替えたのだろうか。
マオの服はお姫様が着るような
きらびやかなドレスに変わって
いた。
カイト「って、俺の服も変わってる!?」
お姫様のマオに対して、俺は
王子様の服装に変わっていた。
白馬「対価としていただいた幻覚能力
を使わせてもらった」
悪魔が言った。
白馬『タッタッ』
悪魔が歩みを進める。
その度に周りの景色が変わっていく。
人々『わーわー』
きらびやかに塗装された街道を
白馬の背に揺られながら進む。
そんな俺たちを人々が祝いながら
見送る。
それはさながら王子様とお姫様の
凱旋のようで……
マオ「わぁ~」
マオが感嘆の声を漏らす。
この光景はマオが大好きな
『白馬の王子様』のおとぎ話の
ワンシーンにそっくりだった。
カイト「もしかして……」
俺が馬の姿をした悪魔に目を
落とす。
白馬「……」
悪魔はどこか満足そうな顔を
していた。
やっぱり……この悪魔は――
カイト「お前……本当は――マオの願い
を叶えにきたのか?」
白馬「……」
悪魔はその問いに答えない。
黙って歩き続ける。
『今は王子様の役を演じろ』
――そう言っているようだった。




