第9話 帰還
白馬『タッタッ』
悪魔が俺とマオを背中に
乗せて走る。
白馬「ここは狭いな……外に出るぞ」
カイト「分かった……ん?」
ちょっと待てよ……
俺があることに気付いた。
カイト「先生たちの張った結界が
あるから校舎の外は無理だ」
俺が悪魔に忠告する。
白馬「……それは大丈夫そうだ」
パチンッ。
鈍い音とともに何かが壊れる
音がした。
カイト「もしかして……
結界を壊したのか?」
白馬「結界は壊れたが……
やったのは私ではない」
カイト「じゃあ、誰が……」
?「うわっ! 学校に馬が!」
誰かの驚いた声がした。
カイト「あっ、先生!」
ナツメ「馬が喋った! え、え~と、
魔法学校で教師を務めてい
る……ナツメと言います……」
俺が通う一般クラスの担任である
ナツメ先生が自己紹介を始めた。
カイト「いや、今喋ったのは俺ですよ」
まあ、こちらの馬……悪魔も
喋るんだけど。
ナツメ「あれ? カイト?」
ナツメ先生が悪魔の背中に
乗っている俺に気付いた。
ナツメ「もう! 学校に馬を連れてくる
なんて……
いくら教師が留守にしてるから
って羽目を外し過ぎです!」
ナツメ先生は頬膨らませて、
ぷんぷんと怒った。
カイト「いや、俺が連れて来たわけ
では……」
校長「悪魔……ですね」
校長が悪魔である白馬を見て
言った。
白馬「ああ、その通りだ」
ナツメ「うわぁ! 今度こそ馬が
喋った!」
ナツメ先生が再び叫んだ。
校長「うちの生徒をどこに連れていく
つもりですか?」
白馬「少し街道を歩きたいと思っている」
校長と悪魔は、ナツメ先生を
無視して話を進める。
校長「二人に危害を加えないと
約束してくれますか?」
校長が俺とマオの身を案じた。
白馬「約束しよう」
校長「分かりました……
二人ともあまり遅くならない
ようにね」
カイト「は、はい!」
マオ「う、うん!」
俺とマオが校長の言葉に頷く。
ナツメ「な、なんじゃ、こりゃー!」
唐突にナツメ先生の驚く声が
響いた。
振り返ると、そこには魔法少女
のコスプレをしたナツメ先生が
いた。




