第1話 開幕
これから書くのはレイが・・・まだ、普通の女の子だった頃のお話。
そう、これはレイがヒーローを目指すまでの過程を書いた物語だ。
・・・。
いや、この始まり方はやめよう。
誤解を招いてしまう。
これは、そんな明るい希望に満ちた話ではない。
これは・・・ひとりの少女が壊れるまでの物語。
悲劇のお話だ。
最初にひとつネタバレを。
この物語に出てくる魔物・・・マオはちゃんと生きている。
だから、安心してくれ。
それ以外は・・・
残念ながらレイと俺を除いて死んでしまった。
村の人たちと・・・
旅人のお兄さん。
騎士団に保護された俺は全てが終わった後。
騎士団と共に村に戻った。
そこで全ての死体を確認した。
そこにいたのは・・・
自分たちを襲った魔物の死体。
山賊の死体。
山賊に関しては心当たりがなかったので驚いた。
知らない人間の死体は全部、山賊の死体とのことだった。
知っている人間は・・・
レイの両親。
俺の両親。
村の人たち。
旅人のお兄さん。
全員の死体を確認した。
確認したのは俺だけだ。
レイはその場にいなかった。
当然だ。
彼女にこんなつらい役目を背負わせるわけにはいかない。
・・・。
自分語りが長くなった。
申し訳ない。
それでは始めようか。
『第2章 壊れた少女編』――開幕。




