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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第1章 偽りの少女編
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第13話 再会

 カイトとレイが王都を走り回っていた。


「どこに行ったんだ。アリスのやつ」

「カイト、止まるんだ」

「うおっ」


 レイが俺の首の襟をつかんだ。


「急になんだよ」

「アリスがいた」


 レイが指をさす。

 そこには椅子に座っているアリスがいた。


「ほんとだ。おーい、アリ・・・」

「待つんだ、カイト」

「ふごっ」


 レイが俺の口をふさいだ。


「今度はなんだよ」

「よく見るんだ。アリスはひとりじゃない」

「なに!?誘拐か!?」


 俺はアリスの周囲を確認する。

 アリスの椅子の前にはテーブルが置かれていた。


「パンケーキをお持ちしました」

「わー、おいしそう・・・むしゃむしゃ」


 アリスがパンケーキをほおばる。

 どうやら、アリスのいる場所はお店の一部らしい。


「雨が降ったらどうすんだ。あの店」

「そのときは傘でもさすんじゃないかな」

「不便な店だな」


 俺とレイがお店について話す。


「これが都会のおしゃれな店ってやつだよ」

「なるほど。アリスの町は外での飲食は禁止だったから新鮮だな」

「そうだね」


 俺たちが都会のおしゃれさに感心していると・・・


「クスクス」


 通りすがる人が俺たちを笑う。


「なんか、笑われてるぞ。レイ」

「どうやら、田舎もんだと思われているみたいだよ。カイト」

「なんで!?アリスの町も十分栄えてたよな?」

「確かに、人は多かったけど・・・都会とは別かもね。僕らの町は」


 俺とレイがお世話になっていたアリスの生まれ故郷。

 古都アルテンシラは古き良き町並みが残る観光地だ。

 町並みの保全のために厳格なルールがあり、外での飲食禁止もそのひとつだ。


「っていうか、カイトはこの王都で手伝いをしてたんじゃないのかい?」

「いや、ここは学区内だろ?」

「そうだけど、それが?」

「校長が新鮮な気持ちで学校に通えるようにって学区内に入るのは禁止されていたんだよ」

「へー、いい校長だね」

「ああ、めっちゃいい人だよ」


 俺が校長のことを思い出す。


「そういえば、校長の孫も今年から魔法学校に通うって言ってたな」

「それは楽しみだね」

「まあ、孫の名前は教えてくれなかったんだけどな」


 校長の孫だと分かったら気を遣われるから内緒だそうだ。


「って、雑談している場合じゃねー。アリスを誘拐・・・餌付けした犯人を捕まえないと」

「誘拐ではないと思うよ。ほら」


 レイがアリスの前に座っている人物を指さした。

 その人物はローブを着ていた。


「あのローブはもしかして魔法学校の生徒か?」

「うん。そうだと思うよ。僕も同じローブを持っているからね」


 俺の言葉にレイが頷いた。


「もう友達ができたのか・・・ん?」


 そこで俺は気づいた。


「アリスと一緒にいるあの子。レイと顔が似てないか?」

「そうかい?むしろ、アリスに似ていると思うけど」

「アリスに?いや、ローブの子はかっこいい系の顔だろ」

「かっこいい系ね・・・うーん」


 レイは納得がいっていないようだ。


「でも、あの子。僕の倍・・・アリス並みの爆乳だよ?」

「お前は胸のサイズで人を判別してるのかよ!」


 話の食い違いの原因が判明した。


「なんだい?君は胸のでかさで人を判断しない聖人君子とでも言うのかい?」

「胸のでかさで判断する方が少数だと思うぞ・・・あと、男はどうすんだよ」

「カイトは『雄っぱい』って聞いたことはないかい?」

「その基準で爆乳になるのはお相撲さんくらいじゃねーかな・・・」


 どうして、俺はこんな頭の悪い会話をしているんだろうか。


「ああ、そうか。カイトはママくらいのぺたんこが好みだったんだね。このロリコンが!」

「なんで、ローザさんの話になるんだよ!普通にでかい方が好きだわ!」


 なぜか話がローザ・・・俺たちの第二の親にまで広がった。


「うん?この騒がしいバカップルは・・・やっぱり、カイトとレイちゃんね!」


 アリスが俺たちに気付いた。


「カップルではねーよ」

「バカは否定しないんだね」

「くやしいことにな」


 俺たちがバカなのは事実だった。


「僕はカイトと違って勉強ができるからバカじゃないよ」


 レイが否定した。


「いや、お前はバカだ」

「そうよ。レイちゃんが私たちの中で一番のバカよ」

「あれー、おかしいな?」


 レイが俺たちの言葉に困惑した。


「アリスちゃん・・・この人たちは?」


 ローブの子がアリスの後ろに隠れながら聞いた。


「私の友達よ」


 アリスが答えた。

 それを聞いてローブの子がぴょこりとアリスの後ろから飛び出した。


「は、初めまして・・・ルナです・・・」


 ローブの子――ルナが視線を斜め下にそらしながら名乗った。


「初めましてルナさん。僕はレイ」


 レイが名乗った。


「っで、こっちが・・・」

「俺はカイトだ。よろしくな」

「・・・」


 俺たちの名前を聞いてルナが目を丸くした。


「レイとカイト・・・」


 俺たちの名前を反芻し・・・

 そして・・・


『バタリ』


 ルナが倒れた。


「ルナちゃん!」


 アリスが倒れたルナに駆け寄った。


「カイト!」


 レイが俺の名前を呼んだ。


「分かってる!」


 俺はルナを背負うと急いで病院に向かった。

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