第21話 過ちを繰り返さないために
カイト「自分だけの願い……」
カイトが何かを呟いた。
レイ「カイト……
大丈夫かい?」
僕がカイトに聞いた。
カイト「えっ、あぁ、
大丈夫だけど……
どうかしたか?」
カイトが不思議そうに
聞き返してきた。
レイ「いや、さっきの会話もそうだけど……
なんか頭が回ってない気がして……」
カイト「つまり、普段より馬鹿ってことか?」
レイ「そうは言ってないけど……」
カイトの返答に僕が困る。
本人に自覚はないらしい。
ゾンビ騒動のせいで
精神的に参っているのかな?
僕がそう思っていると……
ユキノ「ふむ、カイトくんが
馬鹿になっている件と
関係しているか分からないが
私はさっきから胸騒ぎがするよ」
カイト「馬鹿になってねーよ!
……多分」
カイトが自信なさげに言った。
でも、少し元気を取り戻したように見える。
レイ「胸騒ぎというのは?」
ユキノ「それは……
いや、すまない。
気にしないでくれ。
ドラちゃんと離れ離れになって
少しナーバスになっているようだ」
レイ「……」
出会ったときからそうだ。
ユキノはマンドラゴラの
心配しかしていない。
ゾンビになった生徒を
戻せる絶対の自信があるのか、
もしくは、興味がないのか……
彼女が後者――悪だった場合は……
レイ「……悪は殺さなくてはいけない」
全ては十年前と同じ過ちを
繰り返さないために。




