第19話 探索再開
レイ「ふ~、こんなものかな」
僕が辺りにいたゾンビたちを片付ける。
カイト「相変わらず凄いな。お前」
カイトが僕の強さに感心する。
レイ「カイトも剣を握ればいいのに」
カイト「俺には無理だろ……」
レイ「いや、そんなことないよ。
さっきだって、僕の攻撃を
かわして見せたじゃないか」
カイトの戦闘センスはなかなかのものだ。
今は回避のみだけど、剣を学んで攻撃にも
転用できれば……
カイト「……?
かわしてないぞ?」
レイ「えっ」
カイトの言葉に僕が驚く。
カイト「お前が俺に当たらないよう
に調整してるんだろ?
昔からずっとそうじゃないか」
レイ「……マジ?」
カイト「自覚無かったのかよ……」
そんな僕を見て、カイトがため息をついた。
……。
…………。
ユキノ「おお、レイくん!
無事だったか!」
廊下の奥から僕の存在に気付いた
ユキノが駆け寄ってくる。
ユキノ「……あれ?
カイトくん。
君も外に出たのかい?」
カイト「ああ、あのあとゾンビに
襲われちゃって……」
カイトがユキノに説明する。
レイ「二人とも一緒に出てきた
わけじゃないんだね。
詳しい事情を聞いても?
アリスのことも気になるしね」
僕が二人に聞いた。
ユキノ「そうだね……。
まず、私だが……
待っていることに耐えられなくなって、
自分でもドラちゃんを探し始めた次第だ」
レイ「事件の元凶であるユキノには
部屋でじっとして欲しかったんだけど……
来ちゃったものは仕方ないか。
このままマンドラゴラの元まで
同行してもらっていいかな?」
ユキノ「任せたまえ!
私がこのゾンビ騒動を
終わらせてみせよう!」
ユキノが自信満々に言う。
……その言葉が本当であることを祈っているよ。
カイト「俺の方はユキノがいなくなったあと、
アリスとマオの意識が切り替わって、
事情を知らないマオが
扉を開けちゃったんだ」
ユキノ「意識が切り替わる?
彼女も二重人格ってことかい?」
カイト「えっ、あ、いや……
なんていうんだろ……」
ユキノの質問にカイトが頭を悩ます。
ユキノ「……いや、すまない。
話の腰を折ってしまったね。
話を戻してもらって構わない」
カイト「了解。え~と、そうゾンビ!
ゾンビが部屋に入ってきて……
え~と……」
カイトが当時の状況を
思い出しながら話を進める。
カイト「俺が無我夢中でゾンビに体当たりして
ゾンビを部屋の外に追い出したんだ。
で、外側から扉を閉じて……今に至る。
ああ、もちろん。
マオに扉を開けるなって、
伝えてきたから安心してくれ」
レイ「なるほど……。
でも、このタイミングで
マオに意識を譲るなんて
アリスは一体何を考えて……」
もしかして、
カイトとマオを二人っきりに
させてあげたかったのかな?
ただ、タイミングが悪くて
ゾンビが来てしまったと……
レイ「で、カイトは何しに来たんだい?
正直、魔法使いじゃないカイトは
部屋に残っている方が良かったと思うけど」
カイト「ん?
だから、ゾンビを外に追い出す際に
俺も一緒に外に出ちゃって……」
レイ「そのあと、部屋に戻れば良かっただろ?
なんで、外から扉を閉じたんだい?」
ユキノ「ふむ、普通に考えたらそうすべきだね」
僕とユキノがカイトの返答を待つ。
カイト「え~と、その……
このままレイがマンドラゴラを
連れ帰ってもユキノがいないから
意味ないな~……だったり、
マオとアリスを守るために早く扉を
閉じないと……だったり……」
カイトが要領を得ないことを話す。
カイト「悪い! 無我夢中で頭が回らなかった!
とりあえず、レイかユキノを見つけなきゃ
って思って……」
カイトが僕らに謝った。
レイ「まあ、カイトらしいね。
無事だったから良しとしよう。
……ユキノ。
マンドラゴラは三階にいると思うかい?」
ユキノ「うむ。
このゾンビの量、十中八九いるだろうね」
ゾンビ「ぐおおおお」
マンドラゴラを守るためだろう。
別の階にいたゾンビたちが階段をのぼって
三階に合流してくる。
レイ「これじゃ、戻る方が危険だね。
カイト……
一緒にマンドラゴラの元までいくよ。
僕から離れないでね」
カイト「わ、分かった」
カイトが僕の言葉に頷く。
レイ「よし、行こうか」
僕たち三人は
マンドラゴラの探索を再開した。




