第17話 最悪のタイミング②
カイト「……」
さっきからアリスの様子がおかしい。
カイト「なあ、アリス」
アリス?「な、なに? カイト?」
アリスが顔を伏せながら言った。
かたくなに顔を見せてくれない。
カイト「その……
さっきからなんで……」
『コンコン』
カイト「……!」
話を中断して俺が扉に目をやる。
『コンコン』
誰かが扉を叩いてる。
カイト「……」
俺が無言で扉を見つめる。
レイたちか?
それとも、ゾンビが?
カイト「ちょっと、確かめてくる」
扉越しに声をかければ
レイたちかどうか判断がつくはずだ。
アリス?「わ、私が行く。
か、カイトは休んでて……」
アリスが俺を制止して言った。
カイト「そ、そうか?
じゃあ、よろしくな」
アリスがぴょこぴょこと扉に向かう。
『ガチャン』
アリスが扉の鍵を外した。
どうやら、扉の向こうにいるのは
レイたちで合ってたようだ。
カイト「あとはユキノに任せて、
マンドラゴラの設定を……」
そこで俺が気付いた。
カイト「ユキノいないじゃん!」
これではゾンビになった
生徒たちを治すことができない。
カイト「レイに事情を話して
ユキノを探しに行かないと……」
『バン!』
扉が勢いよく開いた。
レイも相当焦ってるな。
そう思いながら扉から
入ってきた人物に目をやる。
ゾンビ「……」
ゾンビがいた。
カイト「はぁ~!? なんで!?」
俺が驚きの声を上げる。
まさか、アリスの奴……
確かめずに開けたのか!?
舐めてた……
アリスの馬鹿さ加減を!!
カイト「アリス、早く下がれ!」
俺が叫ぶ。
マオ「か、カイト?
ど、どうしたの?」
顔を真っ赤にしたアリスが
しどろもどろに返事をする。
そこで、ようやく気付いた。
目の前にいるのはアリスではなく、
マオだということに。
……。
…………。
アリス『逃げて! マオちゃん!』
私が心の中で叫ぶ。
しかし、私の声は当然、
マオちゃんには届かなくて……
ゾンビ「ぐおおおお」
ゾンビが口を大きく開けて
マオちゃんに襲い掛かる。
マオ「キャー!」
恐怖で足がすくんだマオちゃんは
逃げることもできずに悲鳴を上げた。
カイト「危ない!」
カイトがマオちゃんを庇うように
ゾンビとの間に割り込んだ。
そして……
『ガブッ』
ゾンビが噛みついた。




