第10話 天才児現る
レイ「ふ~、あらかた片付いたかな?
二人とももう大丈夫だよ……
あれ? いない?」
消えた二人に僕が戸惑う。
アリス「レイちゃん、こっちよ」
半開きになった扉からアリスが僕を呼んだ。
……。
…………。
レイ「ここは……?」
ルナ「ここは、薬品室。
危険な薬品がたくさんあって普段から
鍵をかけて厳重に守られているの」
『ガチャン』
ルナが扉の鍵を閉めた。
ルナ「ここなら、ゾンビも入って
来れないはずよ」
アリス「危険な薬品……
もしかして、ゾンビウイルスも
この部屋から!?」
カイト「じゃあ、めっちゃ危険じゃん!?」
アリスとカイトが騒ぎ始める。
レイ「……実際のところはどうなの?」
僕がルナに聞いた。
ルナ「それは……」
?「その心配はないよ」
『カツン、カツン』
部屋の奥から一人の少女が歩いてくる。
カイト「小学生の……女の子?」
歩いてきた小さな女の子を見て
カイトが言う。
ルナ「彼女はユキノちゃん。
魔法クラスの一年生で……
飛び級で入学した天才児なの」
ユキノ「初めまして。
カイトくん。アリスくん。
それと、レイくんは三日ぶりだね。
もっと、魔法クラスの授業にも
顔を出して欲しいものだね。
みんな寂しがっているよ」
レイ「はは、善処するよ……」
僕が愛想笑いをしながら答えた。
ユキノ「善処ではなく、
確定してほしいんだがね」
はぁ~、とユキノがため息をつく。
ユキノ「話がそれたね……
まず、今回のゾンビ事件だが
原因はウイルスではない」
アリス「えっ、違うの!?」
アリスが驚いた。
ユキノ「それはあくまで、映画やゲームといった
フィクションの話。
現実と混在させてはいけないね。
思い込みや勘違いのせいで
正しいデータがとれず、
誤った結果を導きだしてしまうことが
この世にはごまんとあるのだから」
ユキノは天才児らしく、
小難しい言い回しをする。
カイト「え~と、もしかして……
今回の事件の原因を分かって
いらっしゃる?」
ユキノ「もちろんだよ。
なんたって、私は……天才だからね」
ユキノは自信満々に答えた。




