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第2話 堪忍袋の緒
俺たちが階段をのぼる。
アリス「あら?
一階に……外に向かうんじゃないの?」
アリスが当然の疑問を述べた。
カイト「結界のせいで外には出れないらしい。
だから、どこか安全な場所を見つけて
立てこもるしかない」
俺が事情を説明した。
レイ「まあ、結界のおかげでゾンビが
外に出れないのは不幸中の幸いかな?」
カイト「中にいる俺たちには、
たまったもんじゃないけどな……」
学園という閉鎖された空間の中で、
どれだけ逃げられるか……
ゾンビたちA「ぐおおおお」
曲がり角の先にゾンビがたむろしていた。
カイト「引き返すぞ!」
アリス「か、カイト! 後ろから……」
カイト「えっ」
アリスの言葉で振り返る。
すると、ゾンビの群れがこちらに
向かってきていた。
ゾンビたちB「ぐおおおお」
カイト「くそっ! はさまれた!」
ここまでなのか……?
レイ「悪の分際で……狩人を気取りやがって……」
カイト「レイ……?」
レイ「そもそも僕はなんで逃げているんだ?
……ああ、そうだ。ホラー映画の影響だ。
映画の登場人物は馬鹿丁寧にゾンビから
逃げていたもんね」
……嫌な予感がする。
レイ「でも、僕は映画の登場人物じゃない。
悪を……お前らを殺す『ヒーロー』だ」
レイが剣を抜いた。




