表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/36

第20話 2回目の遠征準備会議

知識を持ち帰り、照らし合わせる夜。

ページから拾った断片を、これからの行動に変えていく。

守りたいものがあるから、先へ進む理由が生まれる。

静かな放送室に、次の旅の計画が広がっていった。


「こんばんは。こちら、終末ラジオ放送局」

レイが落ち着いた声でマイクに向かう。


「今夜は……地図とノート広げて作戦会議だな」

マリが肩を鳴らしながら言う。


机の上には、図書館から持ち帰ったメモと、埃だらけのパンフレットが散らばっている。

ランプの小さな明かりに照らされて、未来の地図が少しずつ描かれていく。


「まずは、獣の正体。足跡の形からして、イノシシで間違いなさそう」

レイが真剣な声で告げる。

「……やっぱりな。あいつらに芽をやられたらひとたまりもねぇ」

マリの顔が渋くなる。


「対策は、DIY本にあった通り。木材、針金、トタンで柵を作る。できればトラップも」

「だが、その材料は全部足りねぇ」

「だからホームセンターに行くしかない」


パンフレットを指でなぞりながら、レイが続ける。

「幸い、ここから2時間圏内に大きなホームセンターがある。これなら、往復で1日使っていけるはず」

「ほう、なら現地でカート拝借だな」

マリがにやりと笑う。

「重い荷物はカートか、もし残ってたら荷車を。帰りが一番大変だからね」


「で、問題は怪我だ」

マリが声を落とす。

「柵作りでも探索でも、ケガすりゃ命取りだ」

「だから薬局もルートに組み込もう。応急処置キットの補充は必須」

レイがメモに書き込む。


二人は今ある物資を確認していく。


・缶詰、乾パン、栄養バー(少量補充済み)

・飲料水(ペットボトル数本)

・簡易な手斧、折りたたみナイフ

・古いリュックサック2つ

・ランタンと電池


「これが今の手持ち。……足りないものが山ほどあるな」

「そうね。資材、防護服、薬、ガス缶、水タンク……」


マリが頭を掻く。

「結局、必要なもん全部ホームセンターと薬局にあるってことか」

「そういうこと。便利だよね、文明の遺産」

「皮肉だな。人が消えても、棚は俺たちを待ってる」


二人は地図に印をつけ、道順を確認する。

街道、公園、休憩地点。

紙の上に、小さな旅の線が浮かび上がっていった。


「……準備が整ったら、出発ね」

レイの声がほんの少し震える。

「なぁ、帰り道でコンビニ寄れるか?」

「もう、また食べ物?」

「だって、カップラーメンの夢が忘れられねぇんだよ」

「ふふっ……じゃあ余力があればね」


放送室に、ふたりの笑い声が響いた。

その下に広がっているのは、不安と希望が入り混じった未来地図だった。

マリ「なぁ、あのホームセンターのカート、サビついてなきゃいいけどな」

レイ「動かなかったらどうするの?」

マリ「俺が押す!」

レイ「……押すんじゃなくて、引っ張るのよ。荷物が落ちちゃうでしょ」

マリ「へいへい、先生の言う通りにしますよ」

レイ「ふふ、素直でよろしい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ