第13話 焚き火の匂いと放送室
外での“臨時キャンプ放送”から数日。
拠点に戻った二人は、まだ焚き火の匂いが服に残っていることに気づいた。
「やっぱりキャンプって楽しかったな」
「匂いは強烈だったけどね」
久しぶりに特別なことをした後の、静かな日常。
いつもの放送室から、また二人の声が流れ始める。
「こんばんは。こちら、終末ラジオ放送局」
レイの落ち着いた声が響く。
「いやー、キャンプ放送から帰ってきたけどさ……服がまだ焚き火くさい!」
マリが思いっきり袖を振り回した。
「ほんとよね。放送室まで煙の匂い持ち込むなんて、ある意味事件だわ」
「まぁでも、たまには良かっただろ?外の空気吸って、焚き火囲んで」
「……そうね。静かだけど、音があった。あれは悪くなかったわ」
二人は顔を見合わせて、少し笑う。
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「さて、ここで“今日のニュース”のお時間です!」
マリがラジオパーソナリティ風に声を張った。
「本日のトップニュース!拠点裏の草むらに、新しく咲いた花を発見!」
「……あれ、数日前に見つけた花と同じ種類だったわね」
「そう!仲間が増えたってことだな!」
「花に“仲間”って言うのもどうかと思うけど」
レイは肩をすくめつつも、小さく笑った。
「でも、確かに。生き物が増えるのは嬉しいことね」
「続いてのニュース!倉庫の隅に眠っていた古いカセットラジオ、動作確認できず!」
「……壊れてただけでしょう」
「ロマンだよ、ロマン!こういうのから奇跡が始まるんだ!」
「はいはい。奇跡は気長に待ちましょう」
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「ただなー……」
マリは肩をすくめる。
「帰ってきてみると、やっぱり拠点が一番落ち着くんだよな」
「そういうものよ。冒険も特別感があっていいけど、結局は“日常”に戻るのが安心する」
「だな。放送室のガタついた机まで愛おしいぜ」
「それは言い過ぎ」
小さな笑い声がマイクに乗った。
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「さて、それじゃあ……次は何しようか?」
「そしたらいつもの妄想お便りコーナーでもやりますか!」
マリがいつもの掛け声でコーナーを始める。
「今回のお便りは〜! ラジオネーム・キャンプマスター2号さんから!
“もしまたキャンプをするなら、次に欲しいアイテムはなんですか?”」
「私は……マットレスが欲しいわね。地面が固すぎた」
「おぉ!確かにな!俺は……カレー!」
「また食べ物?」
「いや、キャンプと言ったらカレーだろ!終末だろうが何だろうが!」
「……でもレトルトカレーぐらいなら、まだ探せばあるかもね」
「マジで!? よし次の探索は“カレー大作戦”だな!」
「……作戦名がひどい」
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「と、いうわけで。今日はキャンプの余韻を振り返りながらの放送でした」
レイがまとめに入る。
「やっぱり、特別な日があるからこそ、日常が心地よく感じるんだな」
マリが頷いて笑う。
「そうそう。次は何して遊ぶか、楽しみにしながらな!」
マイク越しに、またいつもの空気が流れていった。
マリ「なぁ、キャンプまたやろうぜ!次はバーベキューだ!」
レイ「材料は?」
マリ「……缶詰とクラッカー」
レイ「それ、ただの“前回の再放送”じゃない」
マリ「あはは、まぁそれもラジオっぽいかもな!」




