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エピローグ
人里離れたところに建つ、当時の趣を残した主不在の一軒家。その庭先では、数年前よりもパワーアップした大輪の向日葵が、太陽の光を気持ちよさそうに浴びながら、自信満々に咲き誇っています。
その敷地近くに建てられた、小さな社へと続く夜道に並べられた、無数の灯篭に祈りを捧げる人々の姿。ご高齢の方から小さな子供まで、年齢や性別を問わず、また、地域出身の者だけでなく、地方から来られる方もいらっしゃいます。昔は、名も知られない地区だったというのに、いまとなっては、この地区の夏の風物詩となっているのですよ。
この活動を始めたのは、紛れもなく、あの星野昇多。「大切な命が転がってしまわぬように、少しでも幸せな人生を過ごしていただくために、願いを込めて。」その意志を引き継いだ、田辺快征氏によって、現在も続けられている活動に、終わりはないのです。いまもどこかで、旅を続けている星野昇多のように。
おわり